中小企業経営者をサポートする
日本橋人形町の税理士事務所

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代表取締役等住所非表示措置について

「代表取締役等住所非表示措置」は、株式会社の代表取締役や代表執行役、代表清算人などの住所を公開登記から非表示にする制度です。
この措置は、2024年10月1日から施行され、法令に基づく申請によって行われます。個人情報保護の観点から、金融機関の融資や取引に際しても一部の情報を保護することが目的です。
ただし、この措置を希望する場合、関連する取引や証明書の準備が影響を受ける可能性があるため、申請の前に慎重な検討が求められます。

制度の概要

この制度により、特定の要件を満たす代表取締役などの住所が、登記事項証明書や登記情報提供サービスで非表示になります。
具体的には、住所の一部(市区町村など最小の行政区画まで)が公開から除外されます。これにより、個人のプライバシーが保護されつつ、取引の安全性が確保されます。
ただし、住所が非表示であるため、銀行や不動産取引において追加の書類が必要となる場合があります。この制度は特に上場企業や非上場企業に対応しており、各ケースに応じた書類の準備が必要です。

申出の手続等

●代表取締役等住所非表示措置の要件

この制度の申出は、登記申請と同時に行う必要があります。
たとえば、代表取締役の就任や住所変更の登記申請時に非表示措置を希望する場合、申請書に「非表示希望」の旨や代表者の氏名・住所を記載することが求められます。また、上場会社と非上場会社に応じて異なる書類が必要で、上場企業では証明書、非上場企業では住民票などが求められます。

●登記事項の表示

非表示措置が講じられると、登記事項証明書には代表取締役等の住所が最小の行政区画(市区町村等)までしか表示されません。
さらに、既に登記された情報が変更されない限り、非表示措置は継続されます。ただし、住所に変更が生じた場合には、改めて申出が必要です。

●継続と終了

住所非表示措置は、登記に変更がなければ継続されますが、住所変更時には再度申請が必要です。
また、企業が上場会社でなくなるなど、一定の条件を満たさなくなった場合も措置は終了します。

注意点

代表取締役等住所非表示措置を利用する際にはいくつかの注意が必要です。住所非表示措置が取られると、登記事項証明書には会社代表者の住所が表示されなくなり、これにより金融機関から融資を受ける際や不動産取引などに影響が出る可能性があります。
具体的には、必要な書類の提出が増えるなど、取引手続きが煩雑になることが予想されます。
また、この措置は会社法の登記義務を免除するものではないため、代表者の住所が変更になった場合は改めて登記申請が必要です。申請書には代表者の住所を記載し続ける必要があるため、手続きの際は記載内容に注意しましょう。

その他

この制度についての具体的な記載例や申請手続きの詳細は、法務省が提供する参考資料やPDFファイルで確認できます。追加の手続きや添付書類の準備もあるため、各ケースに応じた準備が求められます。詳細については、公式ページで最新情報をご確認ください。

参考:法務省の公式サイトにて詳細を確認できます。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00210.html

年末調整の変更点と注意点(令和6年度)

年末調整とは

年末調整とは、給与所得者の所得税額を正しく算定するための制度です。給与所得者のための確定申告のようなものです。
給与所得は、その所得から控除してもよいと定められているものがいくつかあります。しかし、会社は個々人のそれをすべて把握し、所得税の算定をするのではなく、概算で所得税額を割り出し、それを差し引いた給与を従業員に支払います。これでは、正確な所得税を算定できていないため、払い過ぎもしくは不足している可能性があります。

そこで行うのが年末調整です。本来、給与から控除できるものを給与から差し引き、差し引いた給与で所得税を計算することで正確な所得税額が算定できます。

昨年からの変更点

令和6年度の年末調整については、定額減税が実施されたため、変更点があります。

・定額減税についておさらいしたい方は、こちらをご覧ください。

 ⇒https://www.z-with.or.jp/bloglist/teigakugenzei/

具体的には、昨年まで行っていた年末調整事項と同様に調整を行った後、算定された所得税額から年調減税額(定額減税分:所得税30,000円、扶養者がいる方は、本人分+その扶養者の人数分×30,000円)を差し引くというものです。

例:単身者(給与300万円、生命保険料2万円)の場合

300万円-98万円(給与所得控除)-48万円(基礎控除)-2万円(生命保険料控除)=152万円
152万円×5%(所得税率)=7万6千円
7万6千円-3万円(定額減税分)=4万6千円

このように、7万6千円までは昨年と同様に計算し、最後に定額減税分の3万円を控除します。
例に挙げた単身者の勤務先が、所得税を概算で、月1万円としていた場合、

1万円×12か月-3万円(定額減税分)=9万円
となり、

9万円-4万6千円=4万4千円(戻り額)
となります。

このように、この単身者の例では、4万4千円が還付されます。

そして、年末調整における定額減税制度では、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書」に定額減税に関して記載する欄が追加されました。該当する方はこちらも忘れずにチェックしましょう。

次に申告書の簡素化についてです。
保険料控除の申告書では、

  • 生命保険料控除の保険金等受取人との「あなたとの続柄」
  • 地震保険料控除の「保険等の対象となった家屋等に居住又は家財を利用している者等の氏名」の欄の「あなたとの続柄」
  • 社会保険料控除の保険料負担する人との「あなたとの続柄」

の3点が削除されました。

「給与所得者の扶養控除申告書等申告書」に関しても、前年の内容と変更等ない場合は、変更がないことを記載するだけで提出可能となりました。

注意点


〈年末調整における定額減税制度〉
注意点としては、対象者の条件と対象人数の確認です。

定額減税制度の対象者は、合計所得金額が1,805万円(給与収入2,000万円)以下の方です。配偶者がいる申告者は、配偶者の合計所得金額が48万円以下の方、扶養親族がいる場合は、扶養親族の合計所得金額が48万円以下の方は、配偶者や扶養親族の人数分×3万円を所得税額から控除することができます。
定額減税における配偶者や扶養親族にはその他条件がありますので、該当するか否かは余裕をもって確認しておくとよいでしょう。

●年末調整に係る申告書の記載事項チェック表(国税庁)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2024/pdf/34.pdf

年末調整の電子化


年末調整は、書類の保管や申告書の提出が電子でできるようになっています。
紙で申告する場合、記入や計算のミスが発生しやすく、スムーズに作成・申告が進まないことが多々あります。
電子では、このようなトラブルを減らすことができます。控除額等の計算は数字を入力すれば、自動で計算してくれます。年末調整ソフト内で入力方法等の説明があるため、担当者が一から説明する必要はなくなります。以前入力した箇所は引き継げるので、従業員側の負担も減少します。
また、データ上で保管・管理ができるため、書類を保存するためのスペースを確保しなくてよくなります。どこにしまったかわからなくなったり、なくしてしまったりすることがなくなります。
修正が必要になった場合も、一から書き直す必要やもう一度計算する手間がなくなるため、担当者と従業員の業務時間削減につながります。
このように、電子化することで大幅に時間と負担を削減することができます。

詳しくは、国税庁の「年末調整手続きの電子化に向けた取組について」をご覧ください。

https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm

毎年皆様を悩ませる年末調整ですが、私たちでお手伝いできることがあれば、お気軽にご相談ください。

【開始時期迫る!】手形の決済期日が60日以内に!?

みなさまこんにちは!税理士法人ウィズです!
今回は、「手形」の決済期日が変更される件についてご紹介いたします!

それでは詳しい内容を見ていきましょう!

1.概要

政府は2024年11月から、2021年3月に見直された『手形通達』を踏まえ、企業が発行する約束手形の決済期間を業種問わず60日以内(現行120日(繊維業90日))とする新指導基準を発表しました。

これは約束手形、一括決済方式、電子記録債権が下請代金の支払いとして用いられる場合における指導基準、指導方針を改正することによっておこなわれます。

2.運用開始時期

2024年11月1日以降に発行(振り出し)される手形から対象

3.対象となる手形

約束手形のほか電子記録債権、一括決済方式についても対象

4.サイトが60日をこえたら…

約束手形、電子記録債権、一括決済方式のサイトが60日を超える場合は、下請法に定める親事業者の禁止行為に該当するとして、公正取引委員会から下請法に基づく指導を受ける可能性があります。

また建設業法令遵守ガイドラインについても同様の基準に改正される予定で、サイトが60日を超える手形の支払いは、建設業法に違反することとなります。

5.紙の手形が廃止に…

サイト基準改正の後の2027年3月末までに手形交換に出され、紙の手形・小切手を全廃することが予定されています。

サイトだけでなく、長年使いなれた紙の手形・小切手も廃止される予定です。
2024年11月はもうすぐそこ!!

サイト短縮による運転資金の確保、売掛債権の回収期間の短縮、振込や電子記録債権への切替・条件見直し等々、経理の方がやるべきことは山積みです・・・。
時代の流れとは言え、早めの対策を検討してください。


最後までご覧いただきありがとうございました!
税理士法人ウィズでは税制改正等の情報発信、経営に役立つセミナー等の開催を毎月行っています。下記セミナーページもぜひご覧ください!
https://www.z-with.or.jp/seminar

会計ソフトの便利なショートカットキー【弥生会計編】

皆様こんにちは!税理士法人ウィズです!
今回は、会計ソフトの便利なショートカットキー【弥生会計編】です。

弥生会計をお使いの皆様の中に、「○○の画面を開くのにいつも時間がかかる」「こういう機能があれば仕訳の作業が楽になるのに…」といったお悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?

今回は、そんなお悩みを解決できるショートカットキーを紹介していきます。

1.残高試算表(月次・期間)を開く

Alt → R → S → G

1つずつ順番に押していくと残高試算表を開くことができます。
最新の残高を確認するために、この画面はよく利用しますよね。

2.残高試算表(年間推移)を開く

Alt → R → S → Y

各勘定科目の年間推移を確認したい場合に、この画面はよく使われます。
毎月の残高を1つの画面で見ることができるので便利です。

3.仕訳のコピー、切取り、貼付け

・前行の項目の一部をコピーする

Ctrl + F

勘定科目や金額、摘要など、前の行の一部を繰り返し使いたい時には、Ctrlを押しながらFを押すと入力の手間を減らせます。
上の画像のように借方勘定科目で実行した場合だと、1つ前の「旅費交通費」が表示されていることがわかります。
Ctrl + C(コピー) → Ctrl + V(貼付け)も組み合わせれば、摘要の入力時間も短縮できてとても効率的です。

・仕訳を行ごとコピーして貼り付ける

↓ コピーしたい行の一部を選択した状態でCtrl + Lを押して

Ctrl + Yを押せば貼り付け完了

4.振替伝票のコピー、登録

↓ コピーしたい伝票を開いてCtrl + Rを押すと

コピー元の内容を保ったまま新規登録画面が開きます。
日付や金額等を調整してF12を押せば登録が完了。
ちなみに、振替伝票内で賃借のバランスを揃える際には + や = を活用するのがおすすめです。

例えば、金額の入力が残り1つになっている時に+を押してみると…

一瞬で差額が算出されました。
振替伝票を作成するときには、積極的に使っていきたい機能ですね。


最後までご覧いただきありがとうございました!
ご紹介した中でご存じでないものがありましたら、ぜひ次の作業から試してみてください。
様々なショートカットキーを組み合わせて、効率よく記帳を進めていきましょう!

その他税制等でご不明点がございましたら、スポットでのご相談も受け付けております!
お気軽にお問い合わせください!
・スポット顧問サービス
https://www.z-with.or.jp/service_list/services02/

税務調査の時期はいつ?事前にできる対策は?【書面添付制度】

こんにちは!税理士法人ウィズです!
みなさまは「税務調査」についてご存知ですか?

税務調査へのイメージとして、下記のようなものがあるのではないでしょうか。
・税務調査の際はいきなり自宅に税務署の職員が来ると聞いたことがあり、怖い
・以前税務調査が来たことがあり、つらい思いをした
・取引先に税務調査が来たと聞き、近々自分の会社にも来るのではないかと心配

実際に税務調査の対象となった法人や個人のうち、約8割前後が何かしらの指摘を受け、追加の納税が発生しています。
金銭面の負担はもちろんですが、税務署と頻繁にやり取りしなければなりませんので、精神的な負担も大きくなります。

今回はそんな税務調査を省略できる可能性のある「書面添付制度」をご紹介いたします!

1.税務調査とは?

税務調査とは、毎年の確定申告に対し、申告内容が正しいかどうかを税務署が調査することです。
法人税・所得税等の税金は「申告納税制度」であり、申告する人が税額等を計算して納付を行います。よって、申告内容が正しいかどうか、不正が行われていないかを確認するのが税務調査の主な目的です。

基本的には過去3年分の申告が調査の対象となりますが、問題があった場合は過去5年分、脱税等があり悪質だと判断された場合等は最大過去7年分を遡る場合もあります。

2.税務調査の時期

税務調査の一般的な時期は、確定申告が落ち着いた4~5月頃と、国税庁・税務署の人事異動が終わった7~11月頃です。
また、税務調査が来る目安としては、開業後3年が経過した時期と言われています。

3.税務調査の現状

令和4年分の実地調査について、国税庁が公表しているデータがあります。
例として法人税を見てみると、実地調査件数は約62,000件、そのうち非違があった件数は約47,000件、不正計算があった件数は約13,000件です。
非違があったものは約76%、不正計算があったものは約20%と高い割合で指摘を受けていることがわかります。

国税庁:令和4事務年度法人税等の調査事績の概要
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/hojin_chosa/pdf/01.pdf

4.書面添付制度とは?

税理士法第33条の2と第35条に規定される意見徴収制度の総称です。
内容は、税理士が申告書の作成等に関して計算・整理した事項や、相談内容等を記載したものです。
この書面が添付されている場合、税務調査の事前通知前または更正を行う前に、税理士として意見を述べる機会が与えられます。

税理士だけに認められた権利であり、事前通知のある税務調査においては申告の内容について税理士に意見徴収がなされ、疑問点が解消された場合は調査が省略されることがあります。
※ただし、事前通知の無い税務調査については例外です。

5.書面添付制度のメリット・デメリット

書面添付制度を利用するにあたり、発生するメリット・デメリットをご紹介します。

メリット
・税務調査の省略もしくは期間短縮につながる可能性がある
・申告書の信頼性がアップするため、金融機関や取引先に対する信頼性もアップ!
・正確な計算書類をもとに経営計画を作成でき、より良い会社経営が行える

デメリット
・準備する資料が増え、事務的な負担が増加する可能性がある
・スケジュール帳や預金など、プライベートな内容を確認することがある

6.もし税務調査の連絡が来たら

突然税務調査の連絡があり、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
税務署は不正を見抜くプロであり、不正・誤りのある可能性が高いところを対象にしている場合が多いと言われています。
このような状況下では十分な応対が出来ず、言われるがままの結果になってしまうことも…。

税理士法人ウィズでは、税務調査の立会も承っております。
経験豊富な税理士が対応させていただき、今までの事例を踏まえた適切なご提案をさせていただきます。

税務調査について税理士へ相談する最大のメリットは、「不安の解消・緩和」です。
相談することで全体像が見え、何をすべきか、内から手をつけるべきかわかります。
またご依頼いただいた場合は、基本的に税務署とのやり取りは税理士が間に入ることになります。税務署から貴方に連絡が来ることは無くなり、精神的負担の軽減にもつながります。

既に調査の日程が決まっている場合でも、税理士の立会を理由に調整することも可能です。
初回面談は無料ですので、是非お気軽にお問い合わせください。
https://www.z-with.or.jp/service_list/services07/


最後までご覧いただきありがとうございました!
近年は税務調査の実施件数が以前より増えている傾向にあります。着手から終了までの期間も、以前と比べ長期化しているようです。
1カ月前後で終わると考えている方もいらっしゃるかと思われますが、実際は半年ほどかかったというケースも・・・。
長期化すると本業にも支障が出かねません。しっかり備えをしておけば、もしもの時も安心です。

税理士法人ウィズはお客様をお守りするため、書面添付制度に力を入れております。
税務調査に関するセミナーの開催や動画の配信も行っておりますので、ぜひご覧ください!
また初回面談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください!


新規法人設立に関する届出ガイド

みなさまこんにちは!税理士法人ウィズです!
法人を新たに設立する際は、税務署等へさまざまな届出が必要となります。
各種手続きにはそれぞれ期限や提出先が定められており、提出がないと税制優遇が受けられないものもあります。
今回は、法人設立に必要な主な届出一覧をご紹介いたします。
しっかりと内容を把握して、抜け漏れがないよう準備しましょう!

1. 法人設立届出書

設立した法人の名前や所在地、事業内容等を税務署に報告するための書類です。

期限:法人設立日以降から2か月以内(各地方公共団体により異なる場合があります)。 
添付書類:会社の登記簿謄本、定款の写し
提出先::納税地の所轄税務署、都道府県税事務所、市町村役所(※東京23区の場合は市区町村への提出は不要)。

国税庁:内国普通法人等の設立の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_2.htm

東京都主税局:事業を始めたとき・廃止したとき
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/scene/index05.html#L3

2. 青色申告書の承認の申請

青色申告を行うための届出です。
損失の繰越や少額減価償却資産の特例が適用できるなど、さまざまな特典があります。

期限:「青色申告で申告書を提出しようとする事業年度の開始日の前日まで」または「設立した日から3か月後の前日」のいずれか早い方。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:青色申告書の承認の申請
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_14.htm

3. 給与支払事務所等の開設届出書

給与の支給が開始されることを税務署へ報告するための書類です。

期限:開設した日から1か月以内。 
提出先:給与支払事務所等の所在地の所轄税務署。

国税庁:給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm

4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税の納付は基本的に毎月行わなければなりませんが、支給人員が常時10人未満である場合は年2回にまとめて納付できます。
その特例を適用するための届出です。

期限:随時提出(届け出提出の翌月の給与等から適用開始。)
提出先:給与支払事務所等の所在地の所轄税務署。

国税庁:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_14.htm

5. 開廃業の届出書

個人事業者から法人になった場合に提出します。
期限: 開廃業の日から1か月以内。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:個人事業の開業届出・廃業届出等手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

6. 棚卸資産の評価方法の届出書

棚卸資産があり、最終仕入原価法以外の方法で評価を行いたい場合に提出します。

期限: 設立後一回目の確定申告まで。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:棚卸資産の評価方法の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_16.htm

7. 減価償却資産の償却方法の届出書

減価償却資産があり、法定償却方法以外の方法で評価を行いたい場合に提出します。
期限: 設立後一回目の確定申告まで。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:減価償却資産の償却方法の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_21.htm

8. 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出

有価証券があり、帳簿価額の算定を移動平均法または総平均法のいずれかで行う場合に提出します)。 
期限: 設立後一回目の確定申告まで。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_18.htm

9. 社会保険関連

健康保険・厚生年金保険(新規適用届)
期限: 事実の発生から5日以内。
添付書類: 法人の登記簿謄本、賃貸借契約書等。 
提出先: 年金事務所。

健康保険・厚生年金保険(被保険者資格取得届)
期限: 事実の発生から5日以内。 
添付書類: 出勤簿、賃金台帳、役員変更の登記事項証書等。 
提出先: 年金事務所。

健康保険(被扶養者(異動)届)
期限: 事実の発生から5日以内。 
提出先: 年金事務所。

労働保険(保険関係設立届)
パート・アルバイトを含む従業員を一人以上雇い入れた場合に提出します。
期限: 事業開始日または適用事業に該当した日の翌日から10日以内。 
添付書類: 法人登記簿謄本。 
提出先: 労働基準監督署。

労働保険 概算保険料申告書
期限: 事業開始日または適用事業に該当した日の翌日から50日以内。 
提出先: 労働基準監督署。

雇用保険 適用事業所設置届
期限: 事業所を設置した日の翌日から10日以内。 
提出先: 公共職業安定所(ハローワーク)。 
添付書類: 会社登記簿謄本、保険関係成立届(労働基準監督署に提出し、労働保険番号を付与・返却されたもの)、概算保険料申告書、事務所賃貸契約書等。

雇用保険 被保険者資格取得届
期限: 採用した日の翌日から10日以内。 
提出先: 公共職業安定所(ハローワーク)。 
添付書類: 労働者名簿、出勤簿やタイムカード。


最後までご覧いただきありがとうございました!
届出の数が多いですが、今後会社を動かしていく上で重要なものばかりです。
e-TaxやeLTAXといった電子申告・納税システムを使用することで、インターネット上でお手続きを完結させることも可能です。

税理士法人ウィズでは、上記届出の作成・提出代行も承っております。
オンラインショップにて受付しておりますので、下記URLよりお申込みください!
https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/25526022259040

また、法人設立後の顧問契約についても随時承っております。
初回面談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください!


キャッシュレス納付のやり方をご紹介! 導入のメリットは?

みなさまこんにちは!税理士法人ウィズです!
昨今ではキャッシュレスでのお買い物が増えてきて、ポイントもついてお得!な時代に入ってきております。

国税庁もキャッシュレス納付利用拡大の取組みを進めており、令和6年5月より国税に係る納付書の事前送付が原則廃止になっています。

主な税金はキャッシュレスでできるようになっていますので、今回は「キャッシュレス納付のススメ」としてご紹介いたします!

キャッシュレス納付のメリット

まずメリットは、なんといっても銀行や税務署等の窓口へ行かなくて良いことです!
窓口に行けば色々教えてはくれるものの、時間の制限や待たされることもしばしば・・・。
そんな中キャッシュレス納付なら、PCまたはスマートフォンを利用して、オフィスや自宅で支払いが完了できます。
窓口の営業時間に左右されることもありませんので、銀行に行く時間がない!という人は、ぜひキャッシュレス納付をご検討ください。

キャッシュレス納付の種類

キャッシュレス納付にはいくつかの種類があります。
事前の手続きが必要なものもありますので、それぞれの詳しい内容をご紹介します!

①ダイレクト納付
納付方法:e-Tax(国税)、eLTAX(地方税)で納付可能。

届け出した預貯金の口座から、口座引き落としする納付方法です。
所轄税務署に事前に届出が必要で、その際に口座を指定する必要があります。
電子申告後に「納付情報登録」を行い、振替指定日を登録することで指定日に口座から引き落とされます。
※振替日を指定した場合でも、口座の残高が不足している場合は引き落としが出来ませんのでご注意ください。

国税庁:ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)の手続
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/index.htm

eLTAX:ダイレクト納付口座の登録方法について
https://www.eltax.lta.go.jp/news/03420

※郵送でお手続きする場合、利用可能となるまで30日前後かかりますので余裕をもってお手続きください。

②インターネットバンキング
納付方法:e-Tax(国税)、eLTAX(地方税)で納付可能

各金融機関のインターネットバンキングのご利用があれば、事前の届出は不要です。
電子申告後に「納付情報登録」を行い、納付方法でインターネットバンキングを選択して納付します。
※金融機関との契約によってはお振込みの限度額がありますのでご注意下さい。

国税庁:インターネットバンキング等からの納付手続
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200042/noufu_denshi.htm

eLTAX:ペイジー(Pay-easy)を介した納付の手順
https://www.eltax.lta.go.jp/kyoutsuunouzei/sousa/pay-easy/

③クレジットカード
納付方法:「国税クレジットカードお支払いサイト」もしくはe-Taxから納付。

対応しているのクレジットカードのご利用があれば、事前の届出は不要です。
クレジットカードのポイントは貯まりますが、納付額に応じて決済手数料が発生します。
納税額が多い方は手数料もかさんでしまう点にご注意ください。

国税庁「クレジットカード納付の手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/nofu-shomei/nofu/credit_nofu/index.htm

eLTAX:クレジットカードを利用した納付の手順
https://www.eltax.lta.go.jp/kyoutsuunouzei/sousa/creditcard/

※クレジットカードの種類によってはポイント付与の対象外となりますので、必ず事前にご確認ください。

④スマホ決済アプリ
納付方法:「国税スマートフォン決済専用サイト」でアプリを選択して納付する。

納付金額が30万円以下の場合のみ利用が可能です。
使用できるキャッシュレス決済アプリは下記のURLからご確認ください。

国税庁「スマホアプリ納付の手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/smartphone_nofu/index.htm

国税スマートフォン決済専用サイト
https://kokuzei-sp-noufu.gmo-pg.com/

国税庁の調査によると、キャッシュレス納付の割合は年々増加しており、令和4年度は全体の35.9%にのぼるとのことです。
窓口で納付手続きを取られている方も多いかと思われますが、これを機にキャッシュレス納付への乗り換えを検討されてはいかがでしょうか。
具体的な対応方法等、お困りごとがございましたら税理士法人ウィズまでご相談ください!


最後までご覧いただきありがとうございました!

税理士法人ウィズでは税制改正等の情報発信、経営に役立つセミナー等の開催を毎月行っています。下記セミナーページもぜひご覧ください!
https://www.z-with.or.jp/seminar

【インボイス制度】宿泊予約サイトの領収書の受取には注意!

みなさまこんにちは!税理士法人ウィズです!
令和5年10月にインボイス制度が始まり、約9か月が経ちました。
段々と慣れてきていると思いますが、まだよくわからない点も多々あるのが実情です。今回はその一例として、「宿泊予約サイトのインボイス」をご紹介します。

宿泊予約サイトを利用する際の注意点

みなさまは出張など遠方に行かれる際、ホテルのネット予約は利用されますか?
このネット予約、ホテルのサイトから直接予約する分には特に問題はないのですが、予約サイトを利用するとちょっとややこしいことになります。

インボイスに対応するためには、原則として支払い時に支払先から発行された「登録番号等が記載されているインボイス対応の領収書」の保存が必要です。
宿泊予約サイトを利用してホテルの予約をした場合、保存した領収書を確認すると「インボイス登録番号」等が記載されていない場合があります。
これは、運営している事業者が国外事業者の予約サイトで、インボイスに対応していないケースが多く見受けられるためです。

対応策

インボイスの発行義務は、適格請求書(インボイス)の発行事業者として登録した支払先(旅館・ホテルなど)にあります。ですので、予約サイトの運営事業者に問い合わせ・インボイス対応の領収書発行を依頼しても対応されません。
場合によっては国内事業者が運営している予約サイトでも、インボイスの発行に対応していない場合があります。
このような場合、旅館やホテルが運営しているサイトで予約するか、宿泊先現地での決済されることを推奨します。

予約サイトから予約される際は、宿泊先がインボイスの発行事業者に登録しているか確認するのはもちろん、予約サイトもインボイスの発行に対応しているか、確認するようにしましょう。


最後までご覧いただきありがとうございました!
宿泊予約サイトは各施設の比較や割引の適用など便利な反面、インボイスの点で考えると注意が必要です。
過去のブログでもインボイス(消費税)の取り扱いについてご紹介しておりますので、ぜひご覧ください!

【3分で学べる消費税】見落としにご注意!消費税課税対象外の取引3選!

【3分で学べる】入湯税について

【インボイス制度】パーキングメーターの消費税

売上の計上基準とは?~注意が必要なネットショップの経理~

自社の商品・製品を販売した際、何日付で売上計上したらよいのか迷ったことはありませんか?

いつもニコニコ現金払いなら、

商品の引渡しやサービス提供と入金が一致するため、迷うことはないでしょう。

ですがネットショップなどは、必ずしもお客様と直接相対して商品を売るとは限りませんよね。

入金の後に商品を渡したり、宅配便で送ったりと様々な商品の受け渡しがあります。

特に、運送業者さんを介した場合は、

・自分が送った日 ・先方に届いた日 ・入金された日

などなど、売り上げを認識すると思われる日はいくつか存在します。

どのタイミングで売上計上するべきなのかを見ていきましょう。

(1) 売上の計上基準は?

まず、売上計上基準とはどういうものかを見ていきます。

売上の計上基準とは、簡単に言えば、”売上計上をいつ時点で行うのかのルール”です。

売上の計上時期なんていつだっていいじゃないか!と思う方もいるでしょう。

ですが、売上を計上する基準が決まっていないと、決まった会計期間の中で、

「この売上は入金があったから」や「この売上は商品を渡したから」など様々な理由で売上が計上されてしまい、

”正しい売上高”を導くことができなくなってしまいます。

経営者・株主・金融機関の方が業績の推移などをチェックする際、

各月の計上方法が違っていたらどうでしょう。情報の精度が落ちてしまいますよね。

ルールがなければ会計期間を恣意的にまたぎ利益調整もできてしまうため、

売上の計上基準は企業の利害関係者にとって、とても大切な役割を果たしているんです。

売上計上基準は『実現主義』に基づいています。

企業会計原則では

『すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない。

ただし未実現収益は、原則として、当期の損益計算に計上してはならない。』

とされており、特に

『売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る』
とされています。

(2) いつの時点で『実現』したと考える?

前章では、

『売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る』
とされている旨をご紹介しました。

『実現』とは一体いつのことを指すのでしょうか?

『実現主義』というと、専門用語的で難しく感じる人もいるかもしれませんが、意外とシンプルです。

実現の定義は大きく3種類あります。

3つを都合のいいように採用するのではなく、企業は下記の①②③のいずれか1つの基準で売上を計上しなくてはなりません。

① 発送基準・・・商品を発送した日で売上計上する

② 引渡基準・・・商品が相手の元に届いた日で売上計上する

③ 検収基準・・・相手が商品の検収(中身の確認)を完了した日で売上計上する

企業会計原則では

『その処理の原則及び手続きを毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない』

としており、企業が1度決めた売上計上基準をいつでも好きに変更することはできません。

毎期継続して同じ基準で売上を計上しているならば、いずれの処理も『実現主義』に沿った処理と考えられます。

(3) 入金日はダメ?

売上の計上基準は「①発送基準」「②引渡基準」「③検収基準」とお話ししました。

『あれ?お客さんから集金した日じゃダメなの?』

と思われた方もいるのではないでしょうか?

確かに商品を送った、受取っただけでは商売になりません。商品の対価を回収して初めて商売として成り立ちます。

でも特別な販売形態の場合を除き、商品の受け渡しの時点で売上は実現したと考えられるため入金日での計上は認められません。

💡入金時に売上とするのはNGです!

(4) まとめ

(1)売上の計上基準は『実現主義』

(2)「①発送基準」「②引渡基準」「③検収基準」の 3 つの基準で考える

(3)入金日での売上の計上は認められない。

売上計上基準について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

一口に『実現主義』と言っても、正解は1つではありません。

昨今では様々な販売形態があります。売上計上基準で迷ったときは、専門家に相談することをおすすめします。

計上する売上の金額に関する注意点をまとめたブログも掲載しておりますので、こちらも是非ご覧ください。

【3分で学べる経理処理】入金額で売上計上していませんか?売上計上の落とし穴!

※なお令和3年4月1日より『収益に関する会計基準』が導入され、従来の『企業会計原則』に優先して適用される基準として位置づけられていますが、

中小企業の会計処理については従来通りの企業会計原則等による会計処理が認められることとされていますので、本文は中小企業を前提として掲載しています。 

【3分で学べる消費税】見落としにご注意!消費税課税対象外の取引3選!

皆さんこんにちは!税理士法人ウィズです。

インボイス制度開始に伴い、消費税の仕訳に苦戦されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、経理処理の際に見落としがちな消費税課税対象外となる取引をご紹介していきます!

①ゴルフ場利用税 (ゴルフ利用税)

1つ目はゴルフ場利用税です。

取引先・得意先との親睦を深めるためにゴルフされる社長さんがいらっしゃると思います。

運動にもなりますし、一石二鳥ですよね。

ゴルフのプレー料金を支払う際、意識せず支払っていることが多いのが「ゴルフ場利用税」です。

ゴルフ利用税とも呼ばれ、ゴルフ場の規模・整備状況に応じて金額が設定されています。

利用税分は消費税対象外ですので仕訳の際、プレー代金と利用税で分ける必要があります。

また、プレー中の飲料代・軽食代が軽減税率8%適用というケースもございます。

ゴルフの領収証にはしっかり目を通しましょう!

②軽油税 (軽油引取税)

社用車・レンタカー・トラック等を使用して客先や現場に行かれる方が多いかと思います。

車を使用されている事業者さんにご注意いただきたいのが「軽油税」です。

経理の方で、軽自動車じゃないから軽油税なんて関係ないでしょ!と思っている方がいらっしゃるかもしれません。

軽油は軽自動車用の燃料ではないため、注意が必要です。

軽油税は消費税対象外となりますので、ガソリンスタンドのレシートは要チェックです!

③慶弔費

3つ目は慶弔費です。

結婚などの祝い事(慶事)における祝儀、または葬儀(弔事)における香典などが該当します。

なんとなく出金伝票を切って、10%で処理してしまいそうですが、

慶弔費は消費税対象外となりますのでご注意ください。

いかがでしたか。

該当していそうな取引があれば、会計データを見直してみてはいかがでしょうか。

過去のブログでも消費税対象外の取引についてご紹介しておりますので、ぜひご覧くださいね!

【3分で学べる】入湯税について

【インボイス制度】パーキングメーターの消費税

従業員の食事代は会社で負担できます!4パターンをご紹介!

「現場で頑張っている従業員のために食事代を会社で負担してあげたい!」

「昼食代の補填をしてあげたい!」

と、中小企業の社長から相談を受けることがあります。

従業員の処遇・モチベーションもあがり、会社にとってもメリットが見込めると思います。

 

しかし、ただ補填と言っても従業員のために払ったお金が給与として扱われれば

所得税の課税対象となってしまいます。

 

支給する方法によって、従業員の給与の所得税として課税されるか否かが変わります。

課税されると給与計算にも影響が出てくるため、注意が必要です。

 

今回は、従業員のために会社で食事代を負担する時、どのような方法があるのか、

所得税は課税されるのかを4つのパターンに分けて見ていきます。

 

① 食事手当として月額給与に加算する場合

まずは、食事手当を従業員の給与に加算してに支給する方法です。

「1日あたり500円」や、「月額5,000円」など決まった額を食事手当として

給与に加算して支給することとなります。

 

 

 

この場合、取り扱いは以下のようになります。

会社側:経費となります。(給料として処理します。)

従業員側:収入扱いとなるため、食事手当を含めて所得税の課税対象となります。

 

【なぜ収入扱いになるのでしょうか?】

理由は、食事手当として支給していても、食事をとらなければ現金をそのまま受け取って自由に使えるのと同じであるためです。

要するに通常の給与と同じく、従業員が自由に使い道を決めることができるからです。

 

さらに、社会保険料の標準報酬月額を算定する場合においても、

食事手当も含めて算定するため、社会保険料も増えることになります。

金銭でもらえることは従業員としては満足度も高くなることでしょう。

 

② 食事代のレシートをもらい実費精算する場合

次に従業員から食事代のレシートを提出してもらい、実費精算する場合です。

給与に加算する①のパターンとは違い、実費精算のため所得税の対象とならないと思われがちですが、

結論、実費であっても原則所得税は課税されます。

 

 

※例外として、残業や宿日直(夜勤等)の時の食事代については

所得税の課税の対象ではありません。

 

ただし、一定の要件を満たすことで昼食代の実費精算でも所得税が課税されないようにすることが可能です。

 

【要件】従業員が食事代の半額以上を負担し、

かつ会社が補填する額(実質支払額)が月額3,500円以内の場合には

所得税の課税されません。※この3,500円は消費税抜きの金額で判定します。

 

会社側:経費となります。(要件を満たさない場合は給与として取り扱われます。)

従業員側:要件を満たさなければ所得税の課税対象となります。

 

③ 遠方の現場の場合に、出張手当として支給する場合

お次は出張手当として支給する場合です。
現場が遠方である場合には、出張手当(日当)として現金支給しても所得税の課税はされません。

 

 

②で説明した「所得税が課税されない要件」のように「いくらまでならOK]といえる明確な数字はありません。

常識的なルールで常識的な金額であれば実務上問題ないと言えます。

「常識的」が曖昧なまま進めてしまうのはリスクがありますので、

会社側には「出張旅費規程」の策定をおススメいたします。

作成した「出張旅費規程」に合わせて支給額を決定するのです。

 

会社側:経費となります。(旅費交通費等)

従業員側:収入としては取り扱われず所得税は課税されません。※常識的な範囲で支給する場合に限る

 

④ 打合せを伴う食事の場合

最後は打ち合わせや会議をしているときの食事代を会社が負担した場合です。

現場での「打ち合わせや会議を伴う食事代」は従業員への支給とならないので、

所得税は課税されません。

打ち合わせや会議が「業務の進捗に必要で、そこに食事が介在した」時になります。

例えば、

現場が忙しい中で「昼食時しか打ち合わせができない」ケ-スがあれば、

会社の経費として計上ができます。

この場合には、通常の打ち合わせや会議と同様に

「誰と、何の打ち合わせ」という内容を、

レシートの裏などに明確に記載をする必要があります。

 

会社側:経費となります。(会議費・交際費等)

従業員側:収入としては取り扱われず所得税は課税されません。

 

 

まとめ

①食事手当として支給する → 所得税は課税される

②食事代を実費精算 → 所得税は課税される
(※半額以上を従業員が負担する時や月額3,500円以内の時は所得税は課税されない)

③出張手当を支給する → 所得税は課税されない(※「出張旅費規程」が必要)

④打ち合わせや会議の時の食事代 → 必要性・必然性があれば会社の経費になる。

4つのパターンについてご説明してきました。

 

所得税が課税されるとは言え、

①のパターンが従業員には意外と喜ばれるのではないでしょうか。

 

会社から見れば払う金額はそんなに変わらないはずですが、

従業員の中には「お給料が増えた」と考える人もいるかもしれません。

 

みなさまはどの方法をお選びになるでしょうか。

迷った際にはぜひ、税理士法人ウィズにご相談ください!

【3分で学べる経理処理】入金額で売上計上していませんか?売上計上の落とし穴!

皆さんこんにちは。税理士法人ウィズです。

今回は、中小企業の経理担当者に向けて、売上計上の間違えやすい点を解説していきたいと思います。

誤りやすいケース ~手数料等が差し引かれて入金される場合~

例えば、55,000円(税込)を相手方に請求したにもかかわらず、口座に入金があったのは54,340円だった、と言った事例が該当します。

原因は下記が考えられます。


・金融機関側にて、振込手数料などの支払いが差し引かれている

・得意先側にて、立替金債務と相殺され振り込まれている

安全協力会費(建設関係のみ)が差し引かれている

販売手数料が差し引かれている(ネットショップなどではよく見られます


経理処理の際に、

と思われた方もいらっしゃるかと思います。

具体的に問題になるのは、ズバリ、消費税の判定です。

消費税の課税売上高が変わると何が変わるのか、代表的なものは下記の2点です。


・消費税の納税義務が発生する(1千万円を超えたら)

→翌々課税期間から課税事業者となり、消費税の納税義務が発生します。

(例)2024年に超えた→2026年から消費税課税事業者

・消費税の簡易課税制度が適用できなくなる(5千万円を超えたら)

※「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していた方のみ

課税売上高が5千万円を超えた翌々課税期間から簡易課税制度が適用できなくなり、

自動的に本則課税が適用されます。

(例)2024年に超えた→2026年から本則課税が強制適用


いかがでしたか。

振込手数料が差し引かれているケースでは、さほど大きな問題にはならないかもしれませんが、

立替金・債務等が差し引かれていると影響が大きくなることがありますので、注意したいポイントです。

余談ですが、委託販売の場合では純額計上が認められています。 ※要件あり

こちらは今後のブログで取り扱っていく予定です。