中小企業経営者をサポートする
日本橋人形町の税理士事務所

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経費の範囲

皆さんこんにちは!税理士法人ウィズです。

お客様から多く寄せられる質問の一つが、「この支払いって経費にできる?」という質問です。
皆さんの関心が強い経費ですが、実は個人事業主と法人では経費にできる範囲が異なるんです。

そこで今回は、個人事業主と法人の経費範囲の違いについて解説します。
どんな違いがあるのか詳しく見ていきましょう!

1.個人事業主と法人どちらも経費にできるもの

事業に直接関連する支出は両者とも経費となります。
【主な経費の例】
・材料等の仕入
・文房具やコピー用紙、プリンターインク等の消耗品費
・事業用の携帯電話の通信費
・取引先への移動にかかる旅費交通費
・事務所の水道光熱費
※個人事業主の場合、事業とプライベートの両方で使用する場合は、家事按分が必要となります。

2.法人のみ経費にできるもの

個人事業主と比べて法人は経費と認められる範囲が広くなります。法人のみに経費計上が認められるものを見ていきましょう。

①事業主本人への報酬
個人事業主では、自分自身に対し給与・賞与・退職金を支払うことはできません。しかし法人では役員報酬という形で支払うことが可能となります。(定期同額での支給や事前確定届出給与の届出等、一定の要件を満たす必要があります。)

②健康保険・年金
個人事業主は国民健康保険・国民年金を経費とする事は出来ません。
法人においては上記の代わりに社会保険料を支払う事になりますが、会社と従業員で50%ずつ負担するため半額が経費となります。(労使折半)
また従業員個人にとっても、
・国民年金に加えて厚生年金を支払うため将来受け取る年金の額が増加する。
・追加の負担なしで家族も社会保険に加入することができる。(扶養の範囲内に限る。)
というメリットがあります。

③旅費日当
法人は従業員(役員含む)の出張時の日当を支給することが可能になります。
日当を支給する際には、①就業規則で出張旅費規定を定める、②支給額が適正であるかの2点に注意しましょう!
日当は受給者にとっても給与課税されないのが嬉しいポイントです。

④法人名義で契約をしたもの
法人の名義で契約を行ったものは対象や利用者が個人であっても経費となります。

(1)社宅
個人事業主は自宅を事業に用いている場合、その利用部分を家事按分して経費計上を行いますが、自宅部分を経費計上する事は出来ません。会社名義で契約した社宅は自宅部分も経費となります。
従業員にも一定の賃料を負担してもらう必要はありますが、通常よりも家賃を低く抑える事ができるのは大きなメリットですね。

(2)生命保険
個人事業主が生命保険を支払った場合は事業の個人とは別に確定申告時に最大12万円までは生命保険控除を受けることができます。
一方法人の場合は、生命保険の支払いは経費となります。(保険の種類により経費とできる割合が異なるため契約時に確認が必要です。)
支払った際に経費にすることはできるのですが、保険金を受け取った際には収益となり、課税の対象となってしまうため注意しましょう。(節税と異なり、課税の繰延べといいます。)

まとめ

個人事業主・法人どちらも事業のために支出したものは経費になる。
法人は個人事業主では経費にできないものも経費にできる。

「法人の方がたくさん経費に出来てお得だ!法人を設立しよう」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。法人は経費面で有利な一方、
・設立に費用がかかる。
・赤字の場合でも一定額の税金を納めなければならない。
・税金、社会保険をはじめとした事務作業が増加する。
等のデメリットも存在します。


最後までご覧いただきありがとうございました!

個人事業主と法人、それぞれの経費の範囲をしっかり理解して、適切に経費計上を行いましょう!
法人設立の目安の一つは、個人事業の所得(≒利益)が800万~900万円を超えた時とされています。

迷った際にはぜひ税理士法人ウィズにご相談ください!

代表取締役等住所非表示措置について

「代表取締役等住所非表示措置」は、株式会社の代表取締役や代表執行役、代表清算人などの住所を公開登記から非表示にする制度です。
この措置は、2024年10月1日から施行され、法令に基づく申請によって行われます。個人情報保護の観点から、金融機関の融資や取引に際しても一部の情報を保護することが目的です。
ただし、この措置を希望する場合、関連する取引や証明書の準備が影響を受ける可能性があるため、申請の前に慎重な検討が求められます。

制度の概要

この制度により、特定の要件を満たす代表取締役などの住所が、登記事項証明書や登記情報提供サービスで非表示になります。
具体的には、住所の一部(市区町村など最小の行政区画まで)が公開から除外されます。これにより、個人のプライバシーが保護されつつ、取引の安全性が確保されます。
ただし、住所が非表示であるため、銀行や不動産取引において追加の書類が必要となる場合があります。この制度は特に上場企業や非上場企業に対応しており、各ケースに応じた書類の準備が必要です。

申出の手続等

●代表取締役等住所非表示措置の要件

この制度の申出は、登記申請と同時に行う必要があります。
たとえば、代表取締役の就任や住所変更の登記申請時に非表示措置を希望する場合、申請書に「非表示希望」の旨や代表者の氏名・住所を記載することが求められます。また、上場会社と非上場会社に応じて異なる書類が必要で、上場企業では証明書、非上場企業では住民票などが求められます。

●登記事項の表示

非表示措置が講じられると、登記事項証明書には代表取締役等の住所が最小の行政区画(市区町村等)までしか表示されません。
さらに、既に登記された情報が変更されない限り、非表示措置は継続されます。ただし、住所に変更が生じた場合には、改めて申出が必要です。

●継続と終了

住所非表示措置は、登記に変更がなければ継続されますが、住所変更時には再度申請が必要です。
また、企業が上場会社でなくなるなど、一定の条件を満たさなくなった場合も措置は終了します。

注意点

代表取締役等住所非表示措置を利用する際にはいくつかの注意が必要です。住所非表示措置が取られると、登記事項証明書には会社代表者の住所が表示されなくなり、これにより金融機関から融資を受ける際や不動産取引などに影響が出る可能性があります。
具体的には、必要な書類の提出が増えるなど、取引手続きが煩雑になることが予想されます。
また、この措置は会社法の登記義務を免除するものではないため、代表者の住所が変更になった場合は改めて登記申請が必要です。申請書には代表者の住所を記載し続ける必要があるため、手続きの際は記載内容に注意しましょう。

その他

この制度についての具体的な記載例や申請手続きの詳細は、法務省が提供する参考資料やPDFファイルで確認できます。追加の手続きや添付書類の準備もあるため、各ケースに応じた準備が求められます。詳細については、公式ページで最新情報をご確認ください。

参考:法務省の公式サイトにて詳細を確認できます。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00210.html

年末調整の変更点と注意点(令和6年度)

年末調整とは

年末調整とは、給与所得者の所得税額を正しく算定するための制度です。給与所得者のための確定申告のようなものです。
給与所得は、その所得から控除してもよいと定められているものがいくつかあります。しかし、会社は個々人のそれをすべて把握し、所得税の算定をするのではなく、概算で所得税額を割り出し、それを差し引いた給与を従業員に支払います。これでは、正確な所得税を算定できていないため、払い過ぎもしくは不足している可能性があります。

そこで行うのが年末調整です。本来、給与から控除できるものを給与から差し引き、差し引いた給与で所得税を計算することで正確な所得税額が算定できます。

昨年からの変更点

令和6年度の年末調整については、定額減税が実施されたため、変更点があります。

・定額減税についておさらいしたい方は、こちらをご覧ください。

 ⇒https://www.z-with.or.jp/bloglist/teigakugenzei/

具体的には、昨年まで行っていた年末調整事項と同様に調整を行った後、算定された所得税額から年調減税額(定額減税分:所得税30,000円、扶養者がいる方は、本人分+その扶養者の人数分×30,000円)を差し引くというものです。

例:単身者(給与300万円、生命保険料2万円)の場合

300万円-98万円(給与所得控除)-48万円(基礎控除)-2万円(生命保険料控除)=152万円
152万円×5%(所得税率)=7万6千円
7万6千円-3万円(定額減税分)=4万6千円

このように、7万6千円までは昨年と同様に計算し、最後に定額減税分の3万円を控除します。
例に挙げた単身者の勤務先が、所得税を概算で、月1万円としていた場合、

1万円×12か月-3万円(定額減税分)=9万円
となり、

9万円-4万6千円=4万4千円(戻り額)
となります。

このように、この単身者の例では、4万4千円が還付されます。

そして、年末調整における定額減税制度では、「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書」に定額減税に関して記載する欄が追加されました。該当する方はこちらも忘れずにチェックしましょう。

次に申告書の簡素化についてです。
保険料控除の申告書では、

  • 生命保険料控除の保険金等受取人との「あなたとの続柄」
  • 地震保険料控除の「保険等の対象となった家屋等に居住又は家財を利用している者等の氏名」の欄の「あなたとの続柄」
  • 社会保険料控除の保険料負担する人との「あなたとの続柄」

の3点が削除されました。

「給与所得者の扶養控除申告書等申告書」に関しても、前年の内容と変更等ない場合は、変更がないことを記載するだけで提出可能となりました。

注意点


〈年末調整における定額減税制度〉
注意点としては、対象者の条件と対象人数の確認です。

定額減税制度の対象者は、合計所得金額が1,805万円(給与収入2,000万円)以下の方です。配偶者がいる申告者は、配偶者の合計所得金額が48万円以下の方、扶養親族がいる場合は、扶養親族の合計所得金額が48万円以下の方は、配偶者や扶養親族の人数分×3万円を所得税額から控除することができます。
定額減税における配偶者や扶養親族にはその他条件がありますので、該当するか否かは余裕をもって確認しておくとよいでしょう。

●年末調整に係る申告書の記載事項チェック表(国税庁)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2024/pdf/34.pdf

年末調整の電子化


年末調整は、書類の保管や申告書の提出が電子でできるようになっています。
紙で申告する場合、記入や計算のミスが発生しやすく、スムーズに作成・申告が進まないことが多々あります。
電子では、このようなトラブルを減らすことができます。控除額等の計算は数字を入力すれば、自動で計算してくれます。年末調整ソフト内で入力方法等の説明があるため、担当者が一から説明する必要はなくなります。以前入力した箇所は引き継げるので、従業員側の負担も減少します。
また、データ上で保管・管理ができるため、書類を保存するためのスペースを確保しなくてよくなります。どこにしまったかわからなくなったり、なくしてしまったりすることがなくなります。
修正が必要になった場合も、一から書き直す必要やもう一度計算する手間がなくなるため、担当者と従業員の業務時間削減につながります。
このように、電子化することで大幅に時間と負担を削減することができます。

詳しくは、国税庁の「年末調整手続きの電子化に向けた取組について」をご覧ください。

https://www.nta.go.jp/users/gensen/nenmatsu/nencho.htm

毎年皆様を悩ませる年末調整ですが、私たちでお手伝いできることがあれば、お気軽にご相談ください。

税務調査の時期はいつ?事前にできる対策は?【書面添付制度】

こんにちは!税理士法人ウィズです!
みなさまは「税務調査」についてご存知ですか?

税務調査へのイメージとして、下記のようなものがあるのではないでしょうか。
・税務調査の際はいきなり自宅に税務署の職員が来ると聞いたことがあり、怖い
・以前税務調査が来たことがあり、つらい思いをした
・取引先に税務調査が来たと聞き、近々自分の会社にも来るのではないかと心配

実際に税務調査の対象となった法人や個人のうち、約8割前後が何かしらの指摘を受け、追加の納税が発生しています。
金銭面の負担はもちろんですが、税務署と頻繁にやり取りしなければなりませんので、精神的な負担も大きくなります。

今回はそんな税務調査を省略できる可能性のある「書面添付制度」をご紹介いたします!

1.税務調査とは?

税務調査とは、毎年の確定申告に対し、申告内容が正しいかどうかを税務署が調査することです。
法人税・所得税等の税金は「申告納税制度」であり、申告する人が税額等を計算して納付を行います。よって、申告内容が正しいかどうか、不正が行われていないかを確認するのが税務調査の主な目的です。

基本的には過去3年分の申告が調査の対象となりますが、問題があった場合は過去5年分、脱税等があり悪質だと判断された場合等は最大過去7年分を遡る場合もあります。

2.税務調査の時期

税務調査の一般的な時期は、確定申告が落ち着いた4~5月頃と、国税庁・税務署の人事異動が終わった7~11月頃です。
また、税務調査が来る目安としては、開業後3年が経過した時期と言われています。

3.税務調査の現状

令和4年分の実地調査について、国税庁が公表しているデータがあります。
例として法人税を見てみると、実地調査件数は約62,000件、そのうち非違があった件数は約47,000件、不正計算があった件数は約13,000件です。
非違があったものは約76%、不正計算があったものは約20%と高い割合で指摘を受けていることがわかります。

国税庁:令和4事務年度法人税等の調査事績の概要
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/hojin_chosa/pdf/01.pdf

4.書面添付制度とは?

税理士法第33条の2と第35条に規定される意見徴収制度の総称です。
内容は、税理士が申告書の作成等に関して計算・整理した事項や、相談内容等を記載したものです。
この書面が添付されている場合、税務調査の事前通知前または更正を行う前に、税理士として意見を述べる機会が与えられます。

税理士だけに認められた権利であり、事前通知のある税務調査においては申告の内容について税理士に意見徴収がなされ、疑問点が解消された場合は調査が省略されることがあります。
※ただし、事前通知の無い税務調査については例外です。

5.書面添付制度のメリット・デメリット

書面添付制度を利用するにあたり、発生するメリット・デメリットをご紹介します。

メリット
・税務調査の省略もしくは期間短縮につながる可能性がある
・申告書の信頼性がアップするため、金融機関や取引先に対する信頼性もアップ!
・正確な計算書類をもとに経営計画を作成でき、より良い会社経営が行える

デメリット
・準備する資料が増え、事務的な負担が増加する可能性がある
・スケジュール帳や預金など、プライベートな内容を確認することがある

6.もし税務調査の連絡が来たら

突然税務調査の連絡があり、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
税務署は不正を見抜くプロであり、不正・誤りのある可能性が高いところを対象にしている場合が多いと言われています。
このような状況下では十分な応対が出来ず、言われるがままの結果になってしまうことも…。

税理士法人ウィズでは、税務調査の立会も承っております。
経験豊富な税理士が対応させていただき、今までの事例を踏まえた適切なご提案をさせていただきます。

税務調査について税理士へ相談する最大のメリットは、「不安の解消・緩和」です。
相談することで全体像が見え、何をすべきか、内から手をつけるべきかわかります。
またご依頼いただいた場合は、基本的に税務署とのやり取りは税理士が間に入ることになります。税務署から貴方に連絡が来ることは無くなり、精神的負担の軽減にもつながります。

既に調査の日程が決まっている場合でも、税理士の立会を理由に調整することも可能です。
初回面談は無料ですので、是非お気軽にお問い合わせください。
https://www.z-with.or.jp/service_list/services07/


最後までご覧いただきありがとうございました!
近年は税務調査の実施件数が以前より増えている傾向にあります。着手から終了までの期間も、以前と比べ長期化しているようです。
1カ月前後で終わると考えている方もいらっしゃるかと思われますが、実際は半年ほどかかったというケースも・・・。
長期化すると本業にも支障が出かねません。しっかり備えをしておけば、もしもの時も安心です。

税理士法人ウィズはお客様をお守りするため、書面添付制度に力を入れております。
税務調査に関するセミナーの開催や動画の配信も行っておりますので、ぜひご覧ください!
また初回面談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください!


新規法人設立に関する届出ガイド

みなさまこんにちは!税理士法人ウィズです!
法人を新たに設立する際は、税務署等へさまざまな届出が必要となります。
各種手続きにはそれぞれ期限や提出先が定められており、提出がないと税制優遇が受けられないものもあります。
今回は、法人設立に必要な主な届出一覧をご紹介いたします。
しっかりと内容を把握して、抜け漏れがないよう準備しましょう!

1. 法人設立届出書

設立した法人の名前や所在地、事業内容等を税務署に報告するための書類です。

期限:法人設立日以降から2か月以内(各地方公共団体により異なる場合があります)。 
添付書類:会社の登記簿謄本、定款の写し
提出先::納税地の所轄税務署、都道府県税事務所、市町村役所(※東京23区の場合は市区町村への提出は不要)。

国税庁:内国普通法人等の設立の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_2.htm

東京都主税局:事業を始めたとき・廃止したとき
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/scene/index05.html#L3

2. 青色申告書の承認の申請

青色申告を行うための届出です。
損失の繰越や少額減価償却資産の特例が適用できるなど、さまざまな特典があります。

期限:「青色申告で申告書を提出しようとする事業年度の開始日の前日まで」または「設立した日から3か月後の前日」のいずれか早い方。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:青色申告書の承認の申請
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_14.htm

3. 給与支払事務所等の開設届出書

給与の支給が開始されることを税務署へ報告するための書類です。

期限:開設した日から1か月以内。 
提出先:給与支払事務所等の所在地の所轄税務署。

国税庁:給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm

4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税の納付は基本的に毎月行わなければなりませんが、支給人員が常時10人未満である場合は年2回にまとめて納付できます。
その特例を適用するための届出です。

期限:随時提出(届け出提出の翌月の給与等から適用開始。)
提出先:給与支払事務所等の所在地の所轄税務署。

国税庁:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_14.htm

5. 開廃業の届出書

個人事業者から法人になった場合に提出します。
期限: 開廃業の日から1か月以内。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:個人事業の開業届出・廃業届出等手続
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

6. 棚卸資産の評価方法の届出書

棚卸資産があり、最終仕入原価法以外の方法で評価を行いたい場合に提出します。

期限: 設立後一回目の確定申告まで。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:棚卸資産の評価方法の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_16.htm

7. 減価償却資産の償却方法の届出書

減価償却資産があり、法定償却方法以外の方法で評価を行いたい場合に提出します。
期限: 設立後一回目の確定申告まで。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:減価償却資産の償却方法の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_21.htm

8. 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出

有価証券があり、帳簿価額の算定を移動平均法または総平均法のいずれかで行う場合に提出します)。 
期限: 設立後一回目の確定申告まで。 
提出先: 納税地の所轄税務署。

国税庁:有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_18.htm

9. 社会保険関連

健康保険・厚生年金保険(新規適用届)
期限: 事実の発生から5日以内。
添付書類: 法人の登記簿謄本、賃貸借契約書等。 
提出先: 年金事務所。

健康保険・厚生年金保険(被保険者資格取得届)
期限: 事実の発生から5日以内。 
添付書類: 出勤簿、賃金台帳、役員変更の登記事項証書等。 
提出先: 年金事務所。

健康保険(被扶養者(異動)届)
期限: 事実の発生から5日以内。 
提出先: 年金事務所。

労働保険(保険関係設立届)
パート・アルバイトを含む従業員を一人以上雇い入れた場合に提出します。
期限: 事業開始日または適用事業に該当した日の翌日から10日以内。 
添付書類: 法人登記簿謄本。 
提出先: 労働基準監督署。

労働保険 概算保険料申告書
期限: 事業開始日または適用事業に該当した日の翌日から50日以内。 
提出先: 労働基準監督署。

雇用保険 適用事業所設置届
期限: 事業所を設置した日の翌日から10日以内。 
提出先: 公共職業安定所(ハローワーク)。 
添付書類: 会社登記簿謄本、保険関係成立届(労働基準監督署に提出し、労働保険番号を付与・返却されたもの)、概算保険料申告書、事務所賃貸契約書等。

雇用保険 被保険者資格取得届
期限: 採用した日の翌日から10日以内。 
提出先: 公共職業安定所(ハローワーク)。 
添付書類: 労働者名簿、出勤簿やタイムカード。


最後までご覧いただきありがとうございました!
届出の数が多いですが、今後会社を動かしていく上で重要なものばかりです。
e-TaxやeLTAXといった電子申告・納税システムを使用することで、インターネット上でお手続きを完結させることも可能です。

税理士法人ウィズでは、上記届出の作成・提出代行も承っております。
オンラインショップにて受付しておりますので、下記URLよりお申込みください!
https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/25526022259040

また、法人設立後の顧問契約についても随時承っております。
初回面談は無料となっておりますので、お気軽にお問い合わせください!


キャッシュレス納付のやり方をご紹介! 導入のメリットは?

みなさまこんにちは!税理士法人ウィズです!
昨今ではキャッシュレスでのお買い物が増えてきて、ポイントもついてお得!な時代に入ってきております。

国税庁もキャッシュレス納付利用拡大の取組みを進めており、令和6年5月より国税に係る納付書の事前送付が原則廃止になっています。

主な税金はキャッシュレスでできるようになっていますので、今回は「キャッシュレス納付のススメ」としてご紹介いたします!

キャッシュレス納付のメリット

まずメリットは、なんといっても銀行や税務署等の窓口へ行かなくて良いことです!
窓口に行けば色々教えてはくれるものの、時間の制限や待たされることもしばしば・・・。
そんな中キャッシュレス納付なら、PCまたはスマートフォンを利用して、オフィスや自宅で支払いが完了できます。
窓口の営業時間に左右されることもありませんので、銀行に行く時間がない!という人は、ぜひキャッシュレス納付をご検討ください。

キャッシュレス納付の種類

キャッシュレス納付にはいくつかの種類があります。
事前の手続きが必要なものもありますので、それぞれの詳しい内容をご紹介します!

①ダイレクト納付
納付方法:e-Tax(国税)、eLTAX(地方税)で納付可能。

届け出した預貯金の口座から、口座引き落としする納付方法です。
所轄税務署に事前に届出が必要で、その際に口座を指定する必要があります。
電子申告後に「納付情報登録」を行い、振替指定日を登録することで指定日に口座から引き落とされます。
※振替日を指定した場合でも、口座の残高が不足している場合は引き落としが出来ませんのでご注意ください。

国税庁:ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)の手続
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/index.htm

eLTAX:ダイレクト納付口座の登録方法について
https://www.eltax.lta.go.jp/news/03420

※郵送でお手続きする場合、利用可能となるまで30日前後かかりますので余裕をもってお手続きください。

②インターネットバンキング
納付方法:e-Tax(国税)、eLTAX(地方税)で納付可能

各金融機関のインターネットバンキングのご利用があれば、事前の届出は不要です。
電子申告後に「納付情報登録」を行い、納付方法でインターネットバンキングを選択して納付します。
※金融機関との契約によってはお振込みの限度額がありますのでご注意下さい。

国税庁:インターネットバンキング等からの納付手続
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200042/noufu_denshi.htm

eLTAX:ペイジー(Pay-easy)を介した納付の手順
https://www.eltax.lta.go.jp/kyoutsuunouzei/sousa/pay-easy/

③クレジットカード
納付方法:「国税クレジットカードお支払いサイト」もしくはe-Taxから納付。

対応しているのクレジットカードのご利用があれば、事前の届出は不要です。
クレジットカードのポイントは貯まりますが、納付額に応じて決済手数料が発生します。
納税額が多い方は手数料もかさんでしまう点にご注意ください。

国税庁「クレジットカード納付の手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/nofu-shomei/nofu/credit_nofu/index.htm

eLTAX:クレジットカードを利用した納付の手順
https://www.eltax.lta.go.jp/kyoutsuunouzei/sousa/creditcard/

※クレジットカードの種類によってはポイント付与の対象外となりますので、必ず事前にご確認ください。

④スマホ決済アプリ
納付方法:「国税スマートフォン決済専用サイト」でアプリを選択して納付する。

納付金額が30万円以下の場合のみ利用が可能です。
使用できるキャッシュレス決済アプリは下記のURLからご確認ください。

国税庁「スマホアプリ納付の手続」
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/smartphone_nofu/index.htm

国税スマートフォン決済専用サイト
https://kokuzei-sp-noufu.gmo-pg.com/

国税庁の調査によると、キャッシュレス納付の割合は年々増加しており、令和4年度は全体の35.9%にのぼるとのことです。
窓口で納付手続きを取られている方も多いかと思われますが、これを機にキャッシュレス納付への乗り換えを検討されてはいかがでしょうか。
具体的な対応方法等、お困りごとがございましたら税理士法人ウィズまでご相談ください!


最後までご覧いただきありがとうございました!

税理士法人ウィズでは税制改正等の情報発信、経営に役立つセミナー等の開催を毎月行っています。下記セミナーページもぜひご覧ください!
https://www.z-with.or.jp/seminar

【3分で学べる消費税】見落としにご注意!消費税課税対象外の取引3選!

皆さんこんにちは!税理士法人ウィズです。

インボイス制度開始に伴い、消費税の仕訳に苦戦されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、経理処理の際に見落としがちな消費税課税対象外となる取引をご紹介していきます!

①ゴルフ場利用税 (ゴルフ利用税)

1つ目はゴルフ場利用税です。

取引先・得意先との親睦を深めるためにゴルフされる社長さんがいらっしゃると思います。

運動にもなりますし、一石二鳥ですよね。

ゴルフのプレー料金を支払う際、意識せず支払っていることが多いのが「ゴルフ場利用税」です。

ゴルフ利用税とも呼ばれ、ゴルフ場の規模・整備状況に応じて金額が設定されています。

利用税分は消費税対象外ですので仕訳の際、プレー代金と利用税で分ける必要があります。

また、プレー中の飲料代・軽食代が軽減税率8%適用というケースもございます。

ゴルフの領収証にはしっかり目を通しましょう!

②軽油税 (軽油引取税)

社用車・レンタカー・トラック等を使用して客先や現場に行かれる方が多いかと思います。

車を使用されている事業者さんにご注意いただきたいのが「軽油税」です。

経理の方で、軽自動車じゃないから軽油税なんて関係ないでしょ!と思っている方がいらっしゃるかもしれません。

軽油は軽自動車用の燃料ではないため、注意が必要です。

軽油税は消費税対象外となりますので、ガソリンスタンドのレシートは要チェックです!

③慶弔費

3つ目は慶弔費です。

結婚などの祝い事(慶事)における祝儀、または葬儀(弔事)における香典などが該当します。

なんとなく出金伝票を切って、10%で処理してしまいそうですが、

慶弔費は消費税対象外となりますのでご注意ください。

いかがでしたか。

該当していそうな取引があれば、会計データを見直してみてはいかがでしょうか。

過去のブログでも消費税対象外の取引についてご紹介しておりますので、ぜひご覧くださいね!

【3分で学べる】入湯税について

【インボイス制度】パーキングメーターの消費税

交際費の判定基準が5,000円から1万円に!変更はいつから?【令和6年度税制改正】

みなさまこんにちは!税理士法人ウィズです!
今回は、令和6年度税制改正で発表された「交際費等の損金不算入制度の見直し」についてお話ししていきます。

令和6年3月までは、一人当たりの飲食費が5,000円以下であるかが交際費の判断基準の一つでした。
しかし、中小企業の経済活動を活性化させる目的等により、令和6年4月から一人当たり1万円以下まで引き上げられることとなりました!

それでは詳しい内容を見ていきましょう!

1.概要

令和6年税制改正の一つとして、「交際費等の損金不算入制度」の見直しが行われました。

①損金不算入となる交際費等の範囲から除外される一定の飲食費に係る金額基準を1人当たり1万円以下(現行:5,000円以下)に引き上げる。

交際費の範囲から除かれ会議費等で損金算入可能な接待飲食費は、一人当たりの金額が5,000円以下の場合でした。
今回の改正により、令和6年4月から一人当たり1万円以下まで範囲が広がります。
昨今の物価高もあり、メリットの大きい改正になっています。

※一人当たりの一万円以下かどうかの判定は、採用している経理方式によって異なります。
「税込経理」を行っている場合は「税込金額」、「税抜経理」を行っている場合には「税抜金額」でそれぞれ判定します。

②接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の特例(年800万円)の適用期限を3年延長する。

交際費の損金算入における特例が3年間延長となりました。
資本金の額により損金算入できる金額が異なり、次のようになります。
・資本金1億円以下の中小企業・・・800万円までもしくは接待飲食費の50%を損金算入
・資本金1億円~100億円以下の大企業・・・接待飲食費の50%を損金算入
・資本金100億円超の大企業・・・全額損金不算入

ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、交際費は基本的には経費として認められていません。
このように「年間800万円までは経費として良い」という特例があるので、経費にできるのです。
800万円を超えた分については「損金不算入」ですのでご注意下さい。

2.交際費の要件

交際費を損金として計上するためには、次の事項を記載した書類の保存が必要です。
今回の改正において変更はありませんが、改めて確認しておきましょう。

①飲食等のあった年月日
②飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
③飲食等に参加した者の数
④その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地
⑤その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項

国税庁:「交際費等の範囲と損金不算入額の計算」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5265.htm

税務調査で要件を満たしていないことが明らかとなった場合、否認される恐れがあります。必ず要件を満たした上、証憑はしっかりと保管しておきましょう。

3.実務上の注意点

適用開始時期
会社の決算月等は考慮せず、令和6年4月1日以降に支出する飲食費に適用されます。
また、クレジットカードの利用等により3月利用分が4月に引き落とされる場合、改正前の「一人当たり5,000円」が判断基準となります。

インボイス制度の影響
インボイス発行事業者ではない飲食店を利用した場合、仕入税額控除の対象とならない消費税分を考慮しなければなりませんので、判断基準が煩雑になります。
特に、税抜経理を採用している場合は注意が必要です。


最後までご覧いただきありがとうございました!
まとめとして、交際費の判断基準は「一人当たり10,000円」と引上げになりますが、法人で損金算入(経費に)できるのは「総額800万円まで」のまま変わりませんのでご注意ください。

税理士法人ウィズでは税制改正等の情報発信、経営に役立つセミナー等の開催を毎月行っています。下記セミナーページもぜひご覧ください!
https://www.z-with.or.jp/seminar

【減税には作業が必要!】定額減税の基礎

今回は定額減税について基礎的な内容をお伝えします。

給与からの減税のため、6月以降の給与計算は確認事項がかなり増えますので、給与計算を担当する方にとっては多くの注意点が発生します。

①概要

まず初めに、定額減税の概要を説明し、対象者と減税額について確認します。

定額減税は、昨年12月に閣議決定されたもので、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和するための一時的な措置です。

この政策は、物価高による家計の圧迫を軽減し、皆様の負担を減らすことを目的としています。

対象者は、給与所得者、事業所得者、年金受給者の3つに分かれており、今回は給与所得者に絞って説明します。

②対象者

次に、対象者の要件について説明します。

対象者は日本在住であり、国内の家計の負担軽減が目的です。

また、令和6年分の合計所得が1,805万円以下、つまり年収が2,000万円以下の方が対象です。

ただし、年収が2,000万円を超える方や、給与所得以外に不動産所得や退職所得がある場合は対象外ですので、注意が必要です。

②減税額

さらに、減税額について説明します。基本的には4万円が減税されます。

内訳は、所得税が3万円、住民税が1万円です。また、扶養親族がいる場合はその人数もカウントされ、同一世帯の配偶者や扶養親族がいる場合はそれぞれ4万円が加算されます。

例えば、同一生計配偶者とお子様が2名の場合、合計4名分の16万円の減税額になります。

注意点としては、

ⅰ 配偶者の年収が103万円以下であれば数に入ります。

ⅱ 16歳未満の扶養者も数に入ります。

④給与実務

定額減税の給与計算においては、月次減税と年末調整の2つの方法で減税額を処理します。

月次減税では、給与から定額減税を差し引きます。

住民税はそれぞれ市区町村が計算し、納税額の通知が出る予定です。

給与計算の際にその金額を差し引きすることになります。扶養控除等申告書の情報の再確認や、扶養親族の確認、管理表の作成などが必要です。

給与明細にも月ごとの減税額を記載する必要があります。

6月までに下記の準備をしましょう。

  • 扶養の再確認(配偶者の情報や、16歳未満も含めて)
  • 「各人別控除事績簿」の作成
  • 給与ソフト使っている場合は対応の有無

参考:国税庁「各人別控除事績簿 様式・記載例」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/yoshiki.htm

年末調整では、月次減税で相殺できなかった分を処理します。

⑤まとめ

・減税処理をするため、6月からの給与計算で対応が必要になります。

・処理が必要なのは1人当たり3万円の減税となる所得税で、住民税はそれぞれの市区町村が計算を行うため処理は不要です。
※扶養人数によって増えます。

・非居住者や、年収が2,000万円を超える方は対象外です。

・年末調整で対応が必要な方もいらっしゃいます。

いかがでしたでしょうか?
定額減税では給与計算での作業が増えるため、対象者や計算方法を知る必要があります。

国税庁から定額減税に関する特設サイトも公開されていますので、あわせてご確認ください。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/index.htm

迷った際は税理士法人ウィズまでご相談ください。

【電子帳簿保存法】メールで受け取った請求書はどう保存する?


みなさまこんにちは!税理士法人ウィズです。
今回は、「電子帳簿保存法」についてご紹介させていただきます。

1.電子帳簿保存法について

令和5年12月31日より「宥恕期間ゆうじょきかん」が終了します。
令和6年1月1日以降の電子取引については、「紙での保存」ができなくなります。

電子帳簿保存法で勘違いされていることがあるので大前提としてお伝えしますが、メールなどで受け取った請求書や領収書の保存方法が「電子的に保存」となります。
保存方法が「電子的」となるだけで、紙に出力することを禁止するものではありません。

例えば、
・会計入力をする際に画面上では見づらいのでPDFで届いた請求書を紙に出力して作業する
はOKです。
ただ、原本として保存しなければならないのは、「PDF」となるので、PCやサーバー上に決まったルールで「PDFを保存」することになります。

2.メールで届いた請求書

それでは、メールで届いた請求書はどのようなどう保存するのか、お話していきます。
『国税庁:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】』には以下のようにあります。


【質問】 電子メールを受信した場合、どのように保存すればよいのでしょうか。
【回答】 電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含みます。)を行った場合についても電子取引に該当するため(法2五)、その取引情報に係る電磁的記録の保存が必要となります(法7)。具体的に、この電磁的記録の保存とは、電子メール本文に取引情報が記載されている場合は当該電子メールを、電子メールの添付ファイルにより取引情報(領収書等)が授受された場合は当該添付ファイルを、それぞれ、ハードディスク、ンパクトディスク、DVD、磁気テープ、クラウド(ストレージ)サービス等に記録・保存する状態にすることをいいます。


要約すると、
 ・メールの本文に取引情報(=取引日付・取引先・取引金額)が書いていれば、メールを保存する。
 ・メールに請求書のPDFなどが添付されていたら、PDFを保存する。
となります。
添付されたPDFの保存はダウンロードすれば良いので、PCやサーバー上に保存できますね。

3.「メールの本文」に記載がある場合

では「メールの本文」に記載がある場合についてはどうすればよいのでしょうか。
『国税庁:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】』に以下のようにあります。


【質問】 自社のメールシステムでは受領した取引情報に係る電子データについて検索機能を備えることができません。その場合、メールの内容をPDF等にエクスポート・変換し、検索機能等を備えた上で保存する方法も認められますか。
【回答】 認められます。当該メールに含まれる取引情報が失われないのであれば、メールの内容をPDF等にエクスポート・変換するなど合理的な方法により編集したもので保存することとしても差し支えありません。


こちらも要約すると、
・メールをPDF(スクリーンショットも可)にして保存しても良い。
・ただし、メールの内容と一切変わらず、きちんと確認できること。となります。

他にもSNSのメッセージ機能やメッセージアプリ等を利用する場合もあると思いますが、現状はスクリーンショットでの対応になりそうですね。

いかがでしたでしょうか。
メールで請求書のやり取りをするのが一般的な昨今では、必ず対応しなければならなくなってきています。
今回挙げた内容以外にも、対応しなければならないことはあります。
お困りの際は、ぜひ税理士法人ウィズまでご連絡ください!

【インボイス特例】2割特例で納税額が減る?やり方・受け方を解説!【元免税事業者のメリット】

2023年の税制改正で2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)が公表されました!
この特例は、インボイス制度開始にあたり免税事業者からインボイス発行事業者になる方に向けて、経理処理や納税額の負担を軽減するため設けられました。
この2割特例とはどのような制度なのでしょうか?対象となる方や適用期間をご紹介いたします!

1.「2割特例」とは?

2割特例とは、インボイス制度をきっかけに免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった方については本来、支払った消費税を仕入税額控除の金額とするところ、特別控除税額(預かった消費税の100分の80に相当する金額)を仕入税額控除の代わりとすることができる制度です。

EX)
売上高(税込) 990万円(内消費税90万円)
仕入高(税込) 550万円(内消費税50万円)

・本則課税の場合
90万円-50万円=40万円

・2割特例を適用する場合
90万円-(90万円×80%)=18万円(預かった消費税の20%)

2割特例の方が22万円納付税額が少ない!

出典:国税庁(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/01.htm

つまり、2割特例を適用した場合には、実際に国に納める消費税額はお客様から預かった消費税の2割ということになります。
そのため課税仕入が課税売上の8割に達しなければ、2割特例を利用した方が有利となります!

2.対象となる事業者

2割特例の対象は、インボイス制度をきっかけに免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった事業者です。

ただし、以下の事項等に該当しない事業者になります。

①基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1,000万円を超えている課税期間があるとき
②特定期間による免除の特例により事業者免税点制度の適用が制限される課税期間があるとき
 ・特定期間(前事業年度開始の日から6か月の期間)の課税売上高が1,000万円を超えている
 ・特定期間の給与等支払額が1,000万円を超えている
③課税期間を1か月や3か月に短縮している課税期間があるとき
 EX)2023/10/1-2023/12/31が消費税の課税期間⇒課税期間を3か月に短縮しているため、2割特例は適用できない。
など                                                                                   

※2割特例の対象者となる要件の詳しい概要は、下記リンクのP.139-143からご確認ください。
国税庁 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存様式に関するQ&A
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/01-01.pdf

3.適用できる期間

2割特例を適用できる期間は、令和5年10月1日から令和8年9月30日を含む事業年度となります。
そのため、最大4回の申告で2割特例を適用できます。

EX1) 3月決算法人の場合
 令和5年4月1日~令和6年3月31日
 令和6年4月1日~令和7年3月31日
 令和7年4月1日~令和8年3月31日
 令和8年4月1日~令和9年3月31日 

EX2) 個人事業主、12月決算法人の場合
 令和5年10月1日~令和5年12月31日
 令和6年1月1日~令和6年12月31日
 令和7年1月1日~令和7年12月31日
 令和8年1月1日~令和8年12月31日

⇒以上の事業年度で2割特例を適用することができる!

4.適用方法

2割特例の適用に届出・申請の必要はありません。
申告の際に、消費税申告書に2割特例を適用する旨の付記をすれば、適用できることとなっています。


インボイス制度の詳細やその他税制改正等についても記事を作成しておりますので、ぜひご覧ください!

インボイス制度 請求書をもらった時の注意点とは?【適格請求書保存方式】

みなさまこんにちは。税理士法人ウィズです!

令和5年10月に開始が迫っている「インボイス制度」について、わかりやすくご紹介していきます!

前回まではインボイス制度の概要や、適格請求書(インボイス)を発行する売り手側の注意点についてお話しさせていただきました。

今回は、適格請求書(インボイス)を受け取る買い手側の注意点をご紹介します!

令和5年度税制改正大綱により改正された点についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!

<前回の記事はこちらから!>
【適格請求書等保存方式】適格請求書って何?いつから始まる?【インボイス制度】

1.仕入税額控除とは?

消費税の納付は、売上等により預かった消費税から仕入等により支払った消費税を差し引いた金額を納付します。

上記の仕入等により支払った消費税を差し引くことが出来る制度が「仕入税額控除」です。

出典:国税庁「適格請求書等保存方式の概要」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0020006-027.pdf#page=3

2.仕入税額控除の要件

インボイス制度が開始されると、消費税の仕入税額控除を受ける際に一定の事項が記載された帳簿及び売手が発行した「適格請求書」等の受取・保存が必要になります。

出典:国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0022009-090.pdf#page=31

※免税事業者や消費者など、請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れは原則として仕入税額控除の適用を受けることはできません。

3.保存対象となる請求書等の範囲

保存が必要となる請求書等の範囲は次の通りです。

① 適格請求書(インボイス)または適格簡易請求書(簡易インボイス)
② 適格請求書の記載事項が記載された仕入明細書、仕入計算書その他これに類する書類
(課税仕入の相手方において課税資産の譲渡等に該当するもので、相手方の確認を受けたものに限る。)
③ 次の取引について、媒介又は取次ぎに係る業務を行う者が作成する一定の書類
 (書類に記載すべき事項に係る電磁的記録を含む。)
・卸売市場において出荷者から委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の販売
・農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等が生産者から委託を受けて行う農林水産物の販売
 (無条件委託方式かつ共同計算方式によるものに限る。)
④ ①から③の書類に係る電磁的記録

適格請求書の記載事項についてはこちら!

4.保存義務が免除になるもの

請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由により、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる取引があります。対象となる取引は以下の通りです。

① 公共交通機関特例の対象として適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送

② 適格簡易請求書の記載事項が記載されている入場券等が使用の際に回収される取引

③ 古物営業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの古物の購入

④ 質屋を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの質物の取得

⑤ 宅地建物取引業を営む者の適格請求書発行事業者でない者からの建物の購入

⑥ 適格請求書発行事業者でない者からの再生資源及び再生部品の購入

⑦ 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の自動販売機及び自動サービス機からの商品の購入等 

⑧ 適格請求書の交付義務が免除される郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)

⑨ 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)

※③~⑥についてはそれぞれの棚卸資産に該当するものに限ります。

5.少額特例について(改正ポイント)

令和5年度税制改正大綱により、一定規模以下の事業者の事務負担を軽減するため少額取引(税込1万円未満)について一定の帳簿のみを保存することで仕入税額控除が可能となりました!
基準期間における課税売上高が1億円以下または特定期間における課税売上高が5千万円以下の事業者が適用対象者となります。
この少額特例は令和5年10月1日から令和11年9月30日までの期間が適用対象です。
取引先がインボイス発行事業者であるかどうかは関係なく、免税事業者であっても同様になります。

※少額特例は、税込1万円未満の課税仕入れについて、インボイスの保存を不要とするものであり、インボイス発行事業者の交付義務が免除されているわけではありません。インボイス発行事業者は課税事業者からインボイスを求められた場合には交付する必要があります。

税込1万円未満の判定について

「税込1万円未満の課税仕入れ」に該当するかついては、一回の取引の課税仕入れに係る金額(税込)が1万円未満かどうかで判定します。課税仕入れに係る一商品ごとの金額により判定するものではありません。
例:税込5,500円の商品と税込7,700円の商品を同時に購入した場合(合計13,200円)
  →少額特例の対象外

参考:国税庁 少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置の概要)の概要
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shohi/kaisei/202304/02.htm

6.経費の立替払について

他の事業者から経費の立替払を受ける場合

B社が立替払を行った課税仕入について、立替を受けるA社が仕入税額控除を行う場合、B社宛てに発行された適格請求書をそのまま受領するだけでは仕入税額控除を行うことが出来ません。
仕入税額控除を行うには、立替払をしたB社から立替金精算書等の交付を受けるなど、立替分の課税仕入がA社のものであることを明らかにする必要があります。
※B社宛ての適格請求書及び立替金精算書等の書類の保存も必要

出典:国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0022009-090.pdf#page=42

7.免税事業者等からの仕入

インボイス制度のもとでは、適格請求書発行事業者以外の者(消費者、免税事業者又は登録を受けていない課税事業者)からの課税仕入れについては仕入税額控除のために保存が必要な請求書等の交付を受けることができないことから、仕入税額控除を行うことができません。
ただし、制度開始から6年間は仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。

出典:国税庁「適格請求書等保存方式(インボイス制度)の手引き」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0022009-090.pdf#page=43

この経過措置の適用を受けるためには、次の事項が記載された帳簿及び請求書等の保存が要件となります。

帳簿

区分記載請求書等保存方式の記載事項に加え、「80%控除対象」など経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨の記載が必要となります。具体的には次の事項となります。
① 課税仕入の相手方の氏名又は名称
② 課税仕入を行った年月日
③ 課税仕入に係る資産又は役務の内容(課税仕入れが他の者から受けた軽減対象資産の譲渡等に係るものである場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨)及び経過措置の適用を受ける課税仕入である旨
④ 課税仕入れに係る支払対価の額

※③の「経過措置の適用を受ける課税仕入である旨」記載については個々の取引ごとに「80%控除対象」、「免税事業者からの仕入れ」などと記載する方法のほか、対象となる取引に、「※」や 「☆」といった記号等を表示し、かつ、これらの記号・番号等が「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」を別途「※(☆)は 80%控除対象」などと表示する方法も認められます!

請求書等

区分記載請求書等と同様の記載事項が必要となります(区分記載請求書等に記載すべき事項に係る電磁的記録を含みます。)。具体的には、次の事項となります。
① 書類の作成者の氏名又は名称
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲 渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
④ 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額
⑤ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称


最後までご覧いただきありがとうございました!

インボイス制度の開始までに制度の理解を深め、対応できるように前もって準備を進めておきましょう!
ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください!

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