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【税制改正】グループ通算制度とは??

みなさまこんにちは。税理士法人ウィズです!

今回は、グループ通算制度についてです。

令和2年度の税制改正において連結納税制度が見直され、令和4年4月1日以後、最初に開始する事業年度から「グループ通算制度」へ移行することとなりました!(令和2年法律第8号)

事務負担の軽減や、節税に繋がる面などもあり、役員や経理担当者の方はしっかりと把握しておきたい内容になっています。

今回は、そんなグループ通算制度のポイントや、連結納税制度との違いを解説していきます。

それでは詳しく見ていきましょう!

1.グループ通算制度とは??

2022年3月に廃止された制度に、『連結納税制度』という制度がありました。これは法人税において、企業グループ全体を一つの納税者として捉え、親法人が申告・納税を行うというものです。
損益通算などメリットも多くありましたが、税金計算の煩雑さ、修正・更正に時間がかかる等の問題点が指摘されていました。

それらを踏まえ、令和2年度税制改正において『グループ通算制度』が創設されました。
グループ通算制度とは、完全支配関係にある企業グループ内の各法人を納税単位として、各法人が個別に法人税の計算及び申告を行い、その中で、損益通算等の調整を行う制度です。後発的に修正・更正が生じた場合には、原則として他の法人の税額計算に反映させない(遮断する)仕組みとされています。

また、グループ通算制度の開始・加入時の時価評価課税及び欠損金の持ち込み等について組織再編税制と整合性の取れた制度とされています。
制度が移行される上で重要なことは、単体申告方式へ移行することです。連結納税制度では親会社が連結申告・納税を行っていましたが、各法人が個別に申告・納税を行うこととなります。

2.制度の主なメリット・デメリット

グループ通算制度を適用する場合の主なメリット、デメリットをご紹介します。
連結納税制度から引き続き利用出来るものもありますので、詳しく見ていきましょう!

メリット① 損益通算による法人税の節税効果

グループ内で赤字の法人と黒字の法人がある場合、所得を相殺することができます。
グループ内の利益がでている会社が単体で申告を行うよりも、法人税額を抑えられるかもしれません。 計算方法は、下記の図の通りです。

(資料:財務省出典)

メリット② 事務負担の軽減

連結納税制度では、親法人が企業グループ全体を一つの納税義務者として申告・納税していました。そのため、グループ内の一つの会社で修正があった場合、企業グループ全体を修正する必要がありました。
グループ通算制度においては各法人が個別に申告・納税を行うため、修正があっても該当の法人のみ修正対応すれば良いこととなります。事務負担の軽減・時間の短縮が期待できますね。

メリット③ 研究開発税制・外国税額控除の適用

研究開発税制及び外国税額控除については、連結納税から引き続き企業グループ全体で計算することになります。
そのため、単体の申告では得られなかった税額控除が使用できる可能性があります。

デメリット 中小法人の特例の適用について

中小企業には法人税の軽減税率や、交際費の損金不算入制度に関する特例などがあります。
しかし、企業グループ内に中小法人に該当しない法人が含まれている場合、企業グループ内のすべての法人に対して中小法人の特例が適用されなくなってしまいます。

  • 法人税の軽減税率適用金額の減少
    中小法人の場合、所得のうち年間800万円以下の部分は法人税率が15%に減額されます。
    しかし、グループ通算制度を適用すると、グループ全体で800万円以下の部分が法人税率15%になります。単体申告した場合より納税額が増加する可能性もありますので、注意が必要です。
  • 交際費の損金不算入制度(あっているか要確認)
    中小法人の場合、交際費は各法人年間800万円まで損金算入が認められています。
    しかし、グループ通算制度を適用すると、グループ全体で800万円まで損金算入となり、影響を受ける可能性があります。

※注意 貸倒引当金について

グループ通算税制の導入と同時に、その他制度の改正も行われています。
これまでは貸倒引当金の対象になる金銭債権から、「連結完全支配関係がある連結法人に対する金銭債権」が除外の対象でした。
しかし、改正後はグループ通算制度の利用に関わらず、完全支配関係がある他の法人に対して有する金銭債権は除外されることとなります。

3.適用法人について

通算制度の適用を受けようとする場合には、親法人となる内国法人及びその内国法人との間にその内国法人による完全支配関係がある他の内国法人である子法人の全てが、国税庁長官の承認を受けなければならないこととされています。
対象とならない親法人・子法人も存在しますので注意が必要です!

※対象とならない適用法人

親法人
 ①清算中の法人
 ②普通法人(外国法人を除く。)又は協同組合等との間にその普通法人又は共同組合等による完全支配関係がある法人
 ③通算承認の取りやめの承認を受けた法人で、その承認日の属する事業年度終了後5年を経過する日 の属する事業年度終了の日を経過していない法人
 ④青色申告の承認の取消通知を受けた法人でその通知後5年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
 ⑤青色申告の取りやめの届出書を提出した法人でその提出後1年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
 ⑥投資法人、特定目的会社
 ⑦その他一定の法人(普通法人以外の法人、破産手続開始の決定を受けた法人等)

子法人
 ①通算承認の取りやめの承認を受けた法人で、その承認日の属する事業年度終了後5年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
 ②青色申告の承認の取消通知を受けた法人でその通知後5年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
 ③青色申告の取りやめの届出書を提出した法人でその提出後1年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
 ④投資法人、特定目的会社
 ⑤その他一定の法人(普通法人以外の法人、破産手続開始の決定を受けた法人等)

※連結法人は、特段の手続きなく令和4年4月1日以後最初に開始する事業年度からグループ通算制度を適用することになります。

4.グループ通算制度の申請は??

親法人及び子法人が、通算承認を受けようとする場合、「その親法人がグループ通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始の日の3月前の日まで」に、親法人及び子法人の全ての連名で、承認申請書をその親法人の納税地の所轄税務署長を経由で、国税庁長官に提出する必要があります。

5.申請の承認は??

グループ通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始の日の前日までに承認又は却下の処分がなかったときは、申請を行った全ての法人について、事業年度開始の日においてその承認があったものとみなされ、同日からその効力が生じます。

6.申告について

グループ通算制度の適用法人は、通算親法人だけでなく通算子法人も法人税及び地方法人税の申告をする必要があり、電子申告義務化の対象となります。
※個別帰属額の届出は不要になります。

7.書面での申告は無効

通算法人が、e-taxではなく書面により申告書を提出した場合、その申告書は無効なものとして取り扱われることとなります。

※e-taxによる申告が法定申告期限を超えてしまった場合には、無申告加算税の賦課対象になってしまいますのでご注意ください。

8.連結納税制度を利用している方へ

連結納税制度を利用している法人は、自動的にグループ通算制度へ移行することとなります。
グループ通算制度へ移行しない場合、令和4年4月1日以後最初に開始する事業年度開始の日の前日までに、親法人が『グループ通算制度へ移行しない旨の届出書』を所轄税務署長へ提出する必要があります。
下記の国税庁のHPよりご確認ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/renketsu/annai/09.htm

9.グループ通算制度の適用の取りやめ

グループ通算制度の適用の取りやめの申請は、やむを得ない事情があるときに、国税庁長官の承認を受けて取りやめることができることとされています。
通算法人の全てが連名で行う必要があるため、個々の通算法人がその申請を行うことはできません。通算親法人に対してこの申請が承認された場合には、その承認を受けた日の属する通算親法人の事業年度終了の時において、通算法人の全てが取りやめることとなります。

参考:令和2年9月30日付課法2-33ほか2課共同「グループ通算制度に関する取扱通達の制定について」(法令解釈通達)の趣旨説明《主要制定項目以外の項目》
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/200930/index_2.htm

国税庁のHPにてQ&Aも公開されておりますので、併せてご確認ください!
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/group_faq/index.htm


最後までご覧いただきありがとうございました!

その他の税制改正等についても記事を作成しておりますので、ぜひご覧ください!

※当ブログは国税庁から発信される情報をもとに作成しておりますが、必ずしも節税を保証するものではありません。

【税制改正2022】中小企業における賃上げ促進税制とは?

こんにちは税理士法人ウィズです。
今回は2022年の税制改正の中で給与・賃金に関する税制の「賃上げ促進税制」についてです。

税制改正で要件が変わり、適用を受けやすくなりました。
賃上げ促進税制の中でも、中小企業を対象にした内容をお話ししていきます!

従業員の給料を上げたいけど、、、そんな風に考える経営者も多いかと思います。
今回ご紹介する賃上げ促進税制を考える要素の一つとして、取り入れてみてはいかがでしょうか。

1.賃上げ促進税制とは?

まずはどういった税制なのか、端的に言うと、
「従業員の給料が前年度より上がれば法人税を減らすことができる!」
という内容です。

社員の昇給等で前年度の決算より給与賃金の増加があった場合には税制を適用して、
給与賃金の増加額の一部を法人税額から税額控除することになります。

税額控除することが、ある意味で、賃上げの費用の一部を負担する制度と言えるでしょう。
当然のことながら適用要件があり、その要件を満たすことで控除額が決まります。

2.適用要件は?

詳しい要件と控除について確認していきましょう!

まず大前提として雇用者の給与賃金が対象となります。
ですので、役員や経営者、また経営者・役員の親族の方の報酬等については対象とならないのでご注意ください。

2022年の税制改正で最大控除率が25%から40%に引き上げられました!
満たす要件によっては基本の控除額の計算(A)に上乗せされます!
(※控除額の上限は法人税額の20%までです)

A 通常要件

<要件>
雇用者給与等の支給額が前年度から1.5%以上増加

<税額控除額>
雇用者給与等支給額の対前年度増加額×15%

B 上乗せ要件

<要件>
雇用者給与等の支給額が前年度から2.5%以上増加

<税額控除額>
雇用者給与等支給額の対前年度増加額×30%(=A+上乗せ15%)

C 上乗せ要件

<要件>
教育訓練費が前年度から10%以上増加

<税額控除額>
雇用者給与等支給額の対前年度増加額×40%(=A+上乗せ15%+上乗せ10%)
以上のように満たす要件によって控除額が変わってきます。
給与賃金の増加のあった多くの企業ではAもしくはBを満たしている可能性があります。

3.ケース別の具体例

ここから具体的な数字を見ながら解説していきます。 
株式会社Wの前期の給与支払額は20,000,000円でした。

さて、給与の増加によっていくらの税額控除が受けられるのでしょうか。
各ケースで見ていきましょう。

《ケース①:15%控除》

今期の給与支払額は1.5%増え、20,300,000円でした。
今期の法人税額が1,000,000円となりました。

昨年から増加した給与支払額は300,000円でしたので、
A雇用者給与等支給額の対前年度増加額×15%に当てはめて、

300,000円×15%=45,000円

税額控除を受けられるのは、45,000円となります。
従って、法人税額は955,000円になります。

《ケース②:30%控除》

今期の給与支払額は2.5%増え、20,500,000円でした。
今期の法人税額が1,000,000円となりました。

昨年から増加した給与支払額は500,000円でしたので、
B雇用者給与等支給額の対前年度増加額×30%に当てはめて、

500,000円×30%=150,000円

税額控除を受けられるのは、150,000円となります。
従って、法人税額は850,000円になります。

《ケース③:25%控除》

今期の給与支払額は1.5%増え、20,300,000円でした。
訓練教育費も前期より10%以上増加しています。
今期の法人税額が1,000,000円となりました。

昨年から増加した給与支払額は300,000円で、
教育訓練費も10%増加のため、15%+上乗せ10%=25%で計算します。

雇用者給与等支給額の対前年度増加額×25%
300,000円×25%=75,000円

税額控除を受けられるのは、75,000円となります。
従って、法人税額は925,000円になります。

《ケース④:40%控除》

今期の給与支払額は2.5%増え、20,500,000円でした。
訓練教育費も前期より10%以上増加しています。
今期の法人税額が1,000,000円となりました。

昨年から増加した給与支払額は500,000円で、
教育訓練費も10%増加のため、
C雇用者給与等支給額の対前年度増加額×40%を当てはめ、

500,000円×40%=200,000円

税額控除を受けられるのは、200,000円となります。
従って、法人税額は800,000円になります。

以上4つのケースでご説明しました。
今回はすべて法人税額1,000,000円で計算したので、控除額の上限は法人税額の20%で最大200,000円でした。
ケース④では最大の控除を受けられる計算になっています。

下記は賃上げ促進税制を適用した場合のイメージ図です。

4.適用を受けるためには?

賃上げ促進税制の適用を受けるためには、法人税の申告の際に一緒に所定の書類を作成し提出します。
こちらは申告を依頼している税理士にご相談の上、適用をお受けください。


賃上げ促進税制は、①従業員の給料が前年度より上がれば法人税を減らすことができ、
その金額は②控除率は最大40%で法人税額の20%までになります。

ブログ執筆者:金田 伸

2016年入社。一般企業を経験の後、税理士法人ウィズに入社。現在は税務会計を中心にクラウド化、電子化や経理効率化の相談を含め、中小企業の経営支援を行っている。

【節税】【税制改正】少額減価償却資産って何?

みなさんこんにちは!税理士法人ウィズです!

今回は減価償却資産について、また令和4年度の税制改正大綱にて発表された、少額の減価償却資産の損金算入についての税制改正案についてご紹介していきます!

制度を利用することで節税に繋がる場合もありますので、しっかりと見ていきましょう!


1.減価償却資産とは?

減価償却資産とは、事業などの業務に用いられる資産のうち、時間の経過等で価値が減少していくもののことをいいます。(例:建物、機械装置、車両など)

減価償却資産の購入金額は、取得した際に全額経費とはなりません。

減価償却資産が使用できるという目安である、国が定めた耐用年数にわたって分割して経費とします。
しかし、金額が小さい場合や中小企業者が減価償却資産を取得する場合、取得した金額の全額を経費にできる場合もあります。こういった資産の事を、少額の減価償却資産といいます。

2.少額減価償却資産について

金額が小さい場合の減価償却資産は以下の3つに分けられます。

(1) 取得価額が10万円未満の場合、少額の減価償却資産

(2) 取得価額が10万円以上、20万円未満の一括償却資産

(3) 取得価額が30万円未満の、中小企業の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

では一つずつ詳しく見ていきましょう!

(1) 取得価額が10万円未満の場合、少額の減価償却資産

取得価額が10万円未満、または使用可能期間が1年未満であれば、少額の減価償却資産に該当します。

この場合、取得した際の金額の全額を、その資産を使用した年の経費とすることができます。

消耗品費等として全額経費に計上することができるため、減価償却を行う必要はありません。

(2) 取得価額が10万円以上、20万円未満の一括償却資産

取得価額が10万円以上、20万円以下の場合、一括償却資産に該当します。

この場合、その資産を取得した際の金額を一括して3年間で定額償却できます。

取得した年度でまとめて管理でき、3年間で均等に償却するので計算も簡単になります。

また、一括償却資産として計上すると、償却資産税の対象にならないという点もポイントです。

(3) 取得価額が30万円未満の、中小企業の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

中小企業の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例については、中小企業者のみの適用となります。

30万円未満の減価償却資産を取得した際の全額を経費とすることができるという制度です。

※中小企業の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例を使用して減価償却資産を購入する場合、全額を経費にできるのは年間300万円までという点と、一括償却資産と違い、償却資産税の課税対象になるという2点に注意です。

また、今回ご紹介した3つの減価償却資産の制度は新品だけでなく、中古のものにも適用されます!

3.今回の改正のポイント

今回ご紹介した(3)中小企業の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、適用期間は平成18年4月1日から令和4年3月31日までの間となっていましたが、令和4年発表された税制改正大綱にて、2年間延長されることになりました。

中小企業者の方にとっては嬉しいものとなっていますので、上手く制度を活用していきましょう!
また、上記3つの制度において、対象資産から貸付の用に供したものが除外されることとなりました。

10万円未満のドローンや、建設用の足場を大量に購入し、経費とすることで節税を計り、購入したものを貸し出して利益を得るという行為を対策するためだと考えられます。

改正後は全額損金算入等の対象外となり、毎期減価償却により損金算入となります。

※しかし、資産の貸付けを主要な事業として行う場合には、引き続き上記3つの制度とすることができます。

対応が必要な場合もありますので、注意しておきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

【要対応】改正電子帳簿保存法

令和4年1月1日から施行となる改正電子帳簿保存法についてお伝えします。

皆さんは電子帳簿保存法をご存知でしたでしょうか?
これまでも存在していた法律ですが、届け出を税務署に提出し、適用を受けて初めて使える制度となっていました。

ですが、今回の改正で制度が大きく変わりました。
どのように変化したか、見ていきましょう。

◇改正前
①適用に届け出が必要
②保存の際に「相手先・日付・金額・勘定科目・書類内容」の記載が必要
③電子データを受け取った際は紙に出力しての保存が可能

◆改正後
①届け出は不要になり全事業者が対象
②保存の際は「相手先・日付・金額」の記載が必要
③電子データを受け取った際は紙に出力しての保存は不可

以上の様に要件が緩和になった一方で、
全事業者が対象となりました。
ここで一番注意しなければいけないのは、③の電子データの保存についてです。
「紙に出力しての保存は不可」となりました。

電子データとは、
メールやインターネットなどのクラウド上で受け渡しの発生する請求書や注文書などの書類になります。
PDFやjpgなどの形式で受け渡ししたものは対象となります。

保存の際には、
「相手先・日付・金額」
をファイル名にするなどの必要があります。
また、「相手先・日付・金額」の2つ以上の項目で検索できる必要があります。

対応が必要な内容になりますので、しっかり押さえていきましょう。

お困りの際は税理士法人ウィズにご連絡ください。

【しっかり押さえて損を回避!】輸出免税について!

1.輸出免税とは

消費税は日本国内における「消費」に対して課される税金です。

このため、輸出してその消費が国外で行われるものや、国際郵便や国際輸送等の輸出に類似する取引については、消費税が免除されます。

消費税の課税対象となる取引のうち、消費税が免除される取引を「輸出免税取引」といいます。

2.免税される輸出取引の範囲

課税事業者が次のような輸出取引等を行った場合は、消費税が免除されます。

(1)国内からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け

(2)国内と国外との間の通信又は郵便若しくは信書便

(3)非居住者に対する鉱業権、工業所有権、著作権、営業権等の無体財産権の譲渡又は貸付

(4)非居住者に対する役務の提供

ただし、非居住者に対する役務の提供であっても、免税とされる輸出取引にはならず、消費税が課される場合があります。

3.免税の適用を受けるための証明

3-1.証明書類の保存

輸出免税の適用を受けるためには、その取引が輸出取引等であることを証明する書類を保存しておかなければなりません。

主な輸出取引の種類とこれらの取引について、輸出免税の適用を受けるために必要な証明書類は下記図表のとおりです。

※FOB価額は原則として、当該郵便物の現実の決済金額(例えば、輸出物品の販売金額)となります。

3-2.郵便物として資産を輸出した場合の輸出免税における証明書類の保存要件の見直し

赤文字で示したとおり、郵便物として資産を輸出する場合の証明書類は、従来、

「郵便物の受取人の氏名等を記載した帳簿又は郵便物の受取人から交付を受けた物品受領書等の一定の書類」

とされていましたが、令和3年10月1日以降に行われるものから、

「日本郵便株式会社より交付を受けた郵便物の引受証及び発送伝票の控え等の保存」

が要件とされています。

3-3.改正後の郵便物として資産を輸出した場合の輸出証明書類

■小包郵便物又はEMS郵便物

⑴ 日本郵便株式会社から交付を受けた当該郵便物の引受けを証する書類

 及び

⑵ 発送伝票等の控え(以下の事項が記載されたもの)

イ 輸出した事業者の氏名又は名称及び住所等

ロ 品名並びに品名ごとの数量及び価額

ハ 受取人の氏名又は名称及び住所等

ニ 日本郵便株式会社による引受けの年月日

■通常郵便物

日本郵便株式会社から交付を受けた当該郵便物の引受けを証する書類(品名並びに品名ごとの数量及び価額を追記したもの)

3-4.適用開始時期

令和3年10月1日以降に行われる資産の譲渡等から適用されます。

これらの証明書類の保存がない場合には、輸出取引であったとしても輸出免税の適用を受けることができず、標準税率10%又は軽減税率8%が適用される課税取引として課税関係が整理される点にご留意ください。

4.輸出の場合の仕入控除

輸出取引で要件を満たすものは消費税が免除されますが、それに対応する課税仕入れには消費税及び地方消費税の額が含まれています。

この課税仕入れの金額には、商品などの棚卸資産の購入代金のほか、その輸出取引を行うのに必要な事務用品の購入や交際費、広告宣伝費などの経費も含まれます。

したがって、輸出の場合であっても、課税仕入れに含まれる消費税及び地方消費税の額は申告の際に仕入税額の控除をすることができます。

いかがでしたか。今回は輸入免税に関する以下の項目についてお話ししました。

・輸出免税の概要

・免税される輸出取引の範囲

・免税の適用を受けるためにすべきこと

・輸出の場合の仕入控除

要件をしっかり押さえておかないと損をしてしまいますので、皆様お気を付けください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

クレジット明細は消費税仕入控除を受けられない!?

みなさんこんにちは!税理士法人ウィズです!

今回は、消費税の税額控除に関係してくる、クレジット明細の取り扱いについてご紹介していきます!

1.消費税の仕組

1-1「仕入控除」とは?

「消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上げに係る消費税額からその課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額(仕入控除税額)を控除して計算します。」(国税庁HPより抜粋)

売上時に当社は消費税を相手から預り、仕入時や経費を支払った際は当社は消費税を仕入先・買い先に消費税を預けている状況となっています。

国内には何百万社も会社があるのに、

それぞれが毎年(決算時)に税務署に「預かっている消費税」を納めて、

「預けている消費税」を税務署から返してもらうのは処理がとても煩雑になりますよね?

その為、預かっている消費税と預けている消費税を相殺して、差額を税務署に納める、もしくは還付してもらうことになります。

この時に相殺する、預けている消費税を「仕入控除」といいます。

1-2.仕入控除を受けるためには?

仕入控除の要件となる書類(請求書、納品書、領収書など)にはきちんと記載要件が設けられています。

事業者に対しモノを売る側の事業者が、買う側の事業者に交付する請求書、納品書、領収書などが以下の①~⑤の要件を満たしている事が条件となっています。

(売る側が小売業、飲食店業、タクシー業、駐車場業、その他これらに準ずる事業で不特定多数の者に資産の譲渡等を行うものである場合には、①から④までの事項が記載されているもの。)

① 売る側の氏名又は名称

② 取引年月日

③ 売ったもの又は役務の内容

(軽減税率対象である場合には、その資産の内容及び軽減税率対象である旨)

④ 異なる税率ごとに区分して合計した課税資産の譲渡等の対価の額

ex)10%対象   〇〇円

軽減税率8% 〇〇円 など

⑤ 買った側の事業者の氏名又は名称(領収証で言う宛名)

2.クレジット明細はなぜ仕入控除を受けられない?

国税庁のHPには、「クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付する請求明細書等は、
そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が作成・交付した書類ではありませんから、
消費税法第30条第9項《仕入税額控除に係る請求書等の記載事項》に規定する請求書等には該当しません。」

と記載があります。

本来、売った事業者が買った事業者に対して作成・交付した書類(請求書、納品書、領収書など)が仕入控除の対象となります。

クレジット会社はあくまで、金額を立て替えているだけで、クレジット会社からモノを買ったわけではありません。

その為、クレジット会社から送られてくる「ご利用明細」は仕入控除の対象にはならないということになります。

クレジットや電子マネーは身軽にお買い物できるのがとても魅力ですが、

事業者の方はその身軽さがかえって損する事もありますので、ご注意ください。

(※なお、今回のお話は課税売上げが5億円未満、課税売上割合が95%以上の事業者さんを対象に書かせて頂いております。)

【適格請求書等保存方式】適格請求書(インボイス)をもらった時に気をつける事は??【インボイス方式】

令和5年10月1日から導入される適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス方式について、全4回にわたってわかりやすく説明していきます

<前回まではコチラ>

第1回
適格請求書って何?いつから始まる?

①適格請求書とは

②適格請求書等保存方式とは

③適格請求書を発行するには

第2回
取引先から適格請求書(インボイス)が欲しいといわれた!どうすればいいの?

①適格請求書発行事業者の義務等について

②適格請求書及び適格簡易請求書の記載事項>

③適格請求書の交付義務免除

④適格請求書の交付方法の特例

第3回
免税事業者だけど適格請求書(インボイス)を発行できるの?

① 免税事業者の登録手続について

② 免税事業者が適格請求書発行事業者になるメリット、デメリット


前回まで適格請求書(インボイス)の概要・発行する売り手側の注意点についてお話しさせていただきました。

今回は適格請求書(インボイス)を受け取る買い手側の注意点をお話しさせていただきます。


①仕入税額控除の要件

適格請求書等保存方式の下では、適格請求書などの請求書等の交付を受けることが困難な一定の場合を除き、一定の事項を記載した帳簿及び請求書等の保存が仕入税額の要件となります。


⑴帳簿の記載事項

保存が必要となる帳簿の 記載事項は、以下のとおりです (現行と同様)。

ⅰ 課税仕入れの 相手方の氏名又は名称

ⅱ 取引年月日

ⅲ 取引内容(軽減税率の対象 品目 である旨)

ⅳ 対価の額


⑵請求書等の範囲

保存が必要となる請求書等 には 、以下のものが含まれます。

㈠ 適格請求書又は適格簡易請求書

㈡ 仕入明細書等 (適格請求書の記載事項が記載されており、相手方の確認を受けたもの)

㈢ 卸売市場において委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の 譲渡 及び 農業協同組合等が委託を受けて行う農林水産物の譲渡について、受託者から交付を 受ける一定の書類

㈣ ㈠から㈢の書類に係る電磁的記録


⑶帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合

請求書等の交付を受けることが困難な以下の取引は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

⒈ 適格請求書の 交付義務が 免除される取引

⒉ 適格簡易請求書の 記載事項( 取引年月日を 除きます。) を満たす入場券等が 、 使用の際に回収される取引

⒊ 古物営業 、質屋又は宅地建物取引 業 を営む者が適格請求書発行事業者でない者 から棚卸資産を取得する 取引

⒋ 適格 請求書発行事業者でない者から再生資源又は再生部品 (棚卸資産に 限ります。)を 購入 する取引

⒌ 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当 等 に係る課税仕入れ

(注)現行、「3万円未満の課税仕入れ」及び「 請求書等の交付を 受けなかったことにつきやむを得ない理由があるとき」は、

法定事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる旨が規定されていますが 、

適格請求書等保存方式の導入後は、これらの規定は廃止されます。


②免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置

適格請求書等保存方式の導入後は、免税事業者や消費者など、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れは、

原則として仕入税額控除を行うことができません 。

ただし、区分記載請求書等と同様の事項 が 記載された請求書等及びこの経過措置の規定の適用を受ける旨を記載した帳簿を保存している場合には、

次の表のとおり、一定の期間は、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額として控除できる経過措置が設けられています。

(取引先にフリーランスや一人親方、美容師など個人に委託している場合は該当する可能性があります。)

【適格請求書等保存方式】免税事業者だけど適格請求書(インボイス)を発行できるの?【インボイス方式】

令和5年10月1日から導入される適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス方式について、全4回にわたってわかりやすく説明していきます。

<前回まではコチラ>

第1回
適格請求書って何?いつから始まる?

①適格請求書とは

②適格請求書等保存方式とは

③適格請求書を発行するには

第2回
取引先から適格請求書(インボイス)が欲しいといわれた!どうすればいいの?

①適格請求書発行事業者の義務等について

②適格請求書及び適格簡易請求書の記載事項

③適格請求書の交付義務免除

④適格請求書の交付方法の特例

<次回はコチラ>

第4回

適格請求書(インボイス)をもらった時に気をつける事は??
・適格請求書をもらったとき(買い手側)の注意点


前回まで適格請求書(インボイス)の概要・発行する売り手側の注意点についてお話しさせていただきました。
今回は、免税事業者の適格請求書(インボイス)の発行についてお話していきたいと思います。


①免税事業者の登録手続について

免税事業者が適格請求書(インボイス)の発行を行うには適格請求書発行事業者の登録申請書、登録申請書に加えて「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者となる必要があります。

但し、令和5年10月1日を含む課税期間中に登録を受ける場合は、登録を受けた日から課税事業者となる経過措置が設けられています。

(1)登録日が令和5年10月1日の属する課税期間の場合(経過措置の適用を受ける場合)

(例)12月決算の法人で、令和5年10月1日から登録を受ける場合

※この場合、「消費税課税事業者選択届出書」の提出は必要ありません。
また、登録日以降は課税事業者となるため、消費税の申告が必要になります。

※令和5年3月31日までに提出することが困難な事情がある場合は、令和5年9月30日まで

(2)登録日が令和5年10月1日の属する課税期間の翌課税期間以降の場合

(例)12月決算の法人で、課税事業者となった課税期間の初日である令和6年1月1日から登録を受ける場合

※この場合、「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、課税事業者を選択するとともに課税事業者となる課税期間の初日の前日から起算して1月前の日までに登録申請書の提出が必要となります。


②免税事業者が適格請求書発行事業者になるメリット、デメリット

<メリット>

売上の減少リスクを回避することができる
適格請求書発行事業者の登録を受けなければ、インボイスを交付することができません。要するに、取引先からすると仕入税額控除を適用できなくなってしまうのです。

取引先にとって、仕入税額控除の適用を受けられないのは大きな損となります。(一応、2029年までは段階的な経過措置が認められていますが、それでも登録事業者との取引と比べると損になります。)

そうなると取引先は登録事業者との取引を望む可能性が高く、登録事業者でない免税事業者は取引先を失ったり、新規の取引先を獲得しにくくなる可能性が大いにあります。登録事業者となることで、売上の減少リスクを回避することができます。

<デメリット>

消費税の納税義務が生じる。

登録事業者になるということは課税事業者になるということですから、消費税の納税義務が生じます。したがって納税を回避することはできなくなります。

その為、免税事業者は、登録事業者となって売上の減少を回避するか、登録事業者とはならずに納税を回避するか、どちらを取るかを選択しなければなりません。

【適格請求書等保存方式】取引先から適格請求書(インボイス)が欲しいといわれた!どうすればいいの?【インボイス方式】

令和5年10月1日から導入される適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス方式について、全4回にわたってわかりやすく説明していきます。


<前回はコチラ>
第1回「適格請求書って何?いつから始まる?」

①適格請求書とは
②適格請求書等保存方式とは
③適格請求書を発行するには

<次回以降はコチラ>
第3回 「免税事業者だけど適格請求書(インボイス)を発行できるの?」
・免税事業者が適格請求書を発行するには
第4回 「適格請求書(インボイス)をもらった時に気をつける事は??」
・適格請求書をもらったとき(買い手側)の注意点


前回は適格請求書(インボイス)の概要についてお話しさせていただきました。
今回は、取引先から適格請求書(インボイス)が欲しいと言われた時に発行する売り手側の注意点についてお話いたします。


①適格請求書発行事業者の義務等について

適格請求書発行事業者には、適格請求書を交付することが困難な一定の場合を除き、取引の相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じて、適格請求書を交付する義務及び交付した適格請求書の写しを保存する義務が課されます。

※不特定多数の者に対して販売等を行う小売業、飲食店業、タクシー業等については、記載事項を簡易なものとした「適格簡易請求書」を交付することができます。


②適格請求書及び適格簡易請求書の記載事項

適格請求書発行事業者は、以下の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類を交付しなければなりません。赤文字下線の項目が、現行の区分記載請求書の記載事項に追加される事項です。


③適格請求書の交付義務免除

適格請求書を交付することが困難な以下の取引は、適格請求書の交付義務が免除されます。
(1)公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送(3万円未満のものに限ります。)
(2)出荷者が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
(3)生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
(4)自動販売機により行われる課税資産の譲渡等(3万円未満のものに限ります。)
(5)郵便切手を対価とする郵便サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)


④適格請求書の交付方法の特例

媒介又は取次ぎに係る業務を行う者(媒介者等を介して行う課税資産の譲渡等について、委託者及び媒介者等の 方が適格請求書発行事業者である場合には 一定の要件の下、媒介者等が、自己の氏名又は名称及び登録番号を記載した適格請求書を委託者に代わって交付することができます 。